「原子力事故」
ウヴァロフ氏は、放射能の危険性はないというホワイトハウスの声明は政治化されており、客観性に欠けるとし、それを説明するために、昨2022年、米国で起きた緊急事態を引き合いに出した。
「2022年、米軍ルイス・マコード基地の『汚染』ゾーン(立ち入り禁止区域)外で、劣化ウラン弾M101の破片が4回発見されていた。その結果、環境放射線が測定された結果、その破片の場所を含めるように『汚染』ゾーンが拡大された。当時発表された写真には、砲弾の破片を素手で拾うのを恐れる米国の軍人が写っていたことは注目に値する」
このことからウヴァロフ氏は、米国では管理区域外で劣化ウラン弾が発見された場合、原子力事故とみなされると事実を指摘した。
ウランだけではない
ウヴァロフ氏は、米国や英国が製造する砲弾に使用されている劣化ウランには、プルトニウムやその他の放射性元素、いわゆる超ウラン元素も含まれている事実に言及している。実はこのことはあまり知られていない。
「冷戦時代、西側のウラン濃縮施設は平和利用のための核と核兵器の製造の両方のために稼働していたため、多くの施設がさまざまな同位体でかなり汚染されていた。このため、製造されていた濃縮ウランと劣化ウラン自体も汚染されていることが多かった」
ウヴァロフ氏は、軍部にとってはウランをスペクトル分析にかけている場合ではなかったため、「差し出されるものをうけとっていた」と強調する。実際、他の放射性元素の痕跡の存在はユーゴスラビアでウラン弾が使用されるまでの間、無視されてつづけてきたのだ。
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