スマートウォッチや指輪の助けを借りて対象をスパイしていた時代は終わった。時代は、すでに「ePANTS」と名付けられたスパイ・ズボンにある、と報じられている。これはジョークではない。国家情報長官室のプレスリリースによれば、スマートePANTSプログラム(スマート電子パンツ)は、諜報目的で電気駆動とネットワーク接続を備えたスマート繊維システムを使用するものだという。このような衣服は政府の利益になることを想定しているため、国家予算で賄われる、と「インターセプト」は報じている。
「このテクノロジーは、危険な状況下に置かれた人を助けるために使うこともできる」と、「インターセプト」は国家情報長官室のプレスリリースを引用している。スマートePANTSプログラムを主導しているのが、2002年から2006年まで国連兵器査察官としてイラクに派遣されたドーソン・ケーグル氏であることは偶然ではない。彼によれば、厳しい環境下では電子機器を操作せずに両手を自由にしておいた方がよいため、スマートウェアはその条件に合致している。
米国政府はスマートePANTSの開発に約3年半の期間を設けているが、このプロジェクトの実施はすでに米国社会に不安を引き起こしている。ピュリッツァー賞作家のアニー・ジェイコブセン氏は、「インターセプト」からのインタビューで、着用するスマート・デバイスの出現は、政府の新たな生体監視につながる可能性があると強調した。「着用することのできるスマート・デバイスがすでに人の心拍を追跡できることを考えると、この分野における更なるブレークスルーは、より侵襲的な生体監視につながる可能性がある」とジェイコブセン氏は警告している。ジェイコブセン氏によれば、もしスマートePANTSプロジェクトが成功すれば、未来の巨大な諜報・監視・偵察システムを構築する第一歩になるかもしれない。「『ビッグ・ブラザー』は、あなたが自分自身について知っている以上に、あなたについて知りたがっている」とジェイコブセン氏は述べている。
諜報活動には様々な形態がある。スプートニクは以前、中国の専門家らにより、太陽電池で動くニューロチップを使って鳩をスパイとして行動をコントロール可能になったと伝えた。
関連記事