第8回東方経済フォーラムは9月10~13日の日程で、ウラジオストクの極東連邦大学で開かれた。フォーラムには各国の首脳級や政治家、財界人らが集い、地域の発展や国際貿易などについて議論が交わされた。
地政学的変化と露朝首脳会談
ザハロワ報道官は、地政学的変化が東方経済フォーラムの重要なテーマとなったと述べた。 特に、米国が生み出す終わりのない危機から抜け出す方法として、BRICSの拡大、脱ドル化、自国通貨での決済への移行などが議題に上がった。こうしたなかで各国との接触は重要となっており、その一例が今回のロシアと北朝鮮の指導者間の会談だという。
ザハロワ報道官は、朝鮮半島情勢がアジア太平洋地域の安全保障と安定性にとって重要だとの見解を示した。また、ロシアは危機的状況の本当の原因を示し、西側諸国の過った認識を指摘してきたと説明した。
「米国は南北朝鮮を対立させようと、何十年にも渡って正常な合意ができないよう挑発を続けてきた。米国がなければ、はるか昔に南北は合意に至っただろう。
中国と台湾もそうだ。北京と台北がサミットや会談を行い肯定的な動きがあったのに、米国が介入した。今では緊張が激化している。これこそが現在、アジア太平洋地域で形成されている構図の重要な要素の1つなのだ」
ウクライナはただの道具
プーチン大統領は12日のフォーラム本会議で、拘束されたウクライナの破壊工作員らがロシア領内の送電線や原子力施設を標的にしたテロを計画していたことに触れ、彼らは英国で訓練を受けていたと述べた。ロシアはこうした行為を容認できないとザハロワ報道官は続ける。
「『穀物協定』は(編注:双務的な)パッケージ協定だということを改めて指摘したい。この協定は実質的には1年前に停止した。その理由はまさに、英国の参加のもとにロシアの船舶に対して行われた破壊工作やテロ行為だった。
英諜報機関、軍教官、なんと呼ぶかは細かいニュアンスの違いの問題だが、とにかく英国は直接関与していた。これこそが、我々がロシアに対するハイブリッド戦争と呼ぶ理由であり、ウクライナが道具にされていると呼ぶ理由だ」
見せかけの和平案
プーチン大統領はフォーラム本会議で、「もし米国がウクライナに対話の用意があるとみなしているのなら、ロシアとの対話を禁止するゼレンスキーの大統領令を撤回させるべき」との考えを示した。これについてザハロワ報道官は、ウクライナ政権はうわべだけの和平への意欲しかみせず、実際の行動は起こしていないとの認識を示した。
「ウクライナ政権は矛盾からなる不条理な和平案を考え出している。ゼレンスキーの和平案では、全く平和について語られていない。軍事的なシナリオなどしか含まれていないのに、『和平案』と名前がついている」
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