西側諸国によるウクライナへの兵器供与

ウクライナにはATACMSが必要 ロシアはハイマースに効果的に対処できる=ボリス・ジョンソン氏

英国のボリス・ジョンソン元首相は、スペクテイター誌に寄稿した記事の中で、ロシア軍は高機動ロケット砲システムHIMARS(ハイマース)に効果的に対処しているとし、長距離ミサイルATACMS(エイタクムス)をウクライナに供与するよう米国当局に求めた。
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ジョンソン氏は記事の中で次のように指摘している。

「反転攻勢は一部の人々が期待していたよりも遅れている…ウクライナにはロシアのヘリコプターを撃墜するために移動式の防空システムが必要だ。彼らには空からの攻撃から身を守るためにパトリオットのようなシステムが必要であり、彼らはロシアの陣地を破壊するためにより優れた長距離砲を必要としている。ハイマースは有効だが、ロシアの対処も効果的だ。ウクライナは長距離ミサイルシステムATACMSを望んでいるが、米国はまだ提供していない。また彼らは英国製Storm Shadow(ストームシャドウ)のようなミサイルシステムもさらに必要としている」

ジョンソン氏によると、ウクライナのゼレンスキー大統領はATACMSのような現代的な弾道システムが少なくとも200は必要だとジョンソン氏に伝えた。ゼレンスキー氏は、米国はそのようなシステムを数千保有しているが、米国防総省はそれらをウクライナに供与していないと不満を述べたという。
ジョンソン氏が欧米に対してウクライナへの軍事支援強化を呼びかけたのは今回が初めてではない。同氏はこれまでにも欧米に対してウクライナへの戦車、航空機、長距離砲のほか、戦闘機タイフーンの供与を求めている。ウクライナ当局も米国への圧力をさらに強めている。同当局は、9月19日から26日に行われる国連総会の一般討論演説までに長距離ミサイルATACMS供与の承認を得たい考え。一方、米ポリティコによると、米政府内ではウクライナ軍へのATACMSシステム供与について活発な議論が続いているが、米国防総省からはまだ正式な許可がおりていない。
ウクライナへ供与の米ハイマース その可能性は「尽きた」=米国人軍事専門家
ロシアはすでにウクライナへの兵器供与をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に抗議文を送付している。ロシアのラブロフ外相は、ウクライナ向けの兵器を含むあらゆる貨物はロシアの正当な標的になるとし、米国とNATOは兵器を供与し、自国の領土で兵士の訓練も行っているため、紛争に直接関与していると正式に表明した。また今月13日、ウィーンにおける軍事安全保障および軍縮に関する交渉のロシア代表団団長を務めるコンスタンチン・ガブリロフ氏は、安全保障協力に関する欧州安全保障協力機構(OSCE)フォーラムの第1054回本会議で、米国がウクライナにATACMSミサイルを供与する可能性をめぐり、ロシアは迅速に対応すると述べた。
「入ってきた情報によると、米政府は自分たちの操り人形に長距離ミサイルシステムATACMSおよび多目的ドローンMQ-1CグレイイーグルとMQ-9 リーパーを供与することを計画している。迅速に適切な対策を講じると警告する。弱体化した西側の軍用車両が特別作戦区域でロシア軍の軍事的成果を妨げることはできないことを皆さんはよく知っているだろう」と述べた。ロシア外務省のサイトに同氏の演説が掲載された。
なお、ブライアン・バーレチック元米海兵隊員は先にYouTubeチャンネル『The New Atlas』に出演し、ロシア軍はウクライナが受け取る可能性のあるATACMSを簡単に破壊することができると語った。
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