安保理で非難の応酬
21日夜に国連安保理で開かれたナゴルノ・カラバフをめぐる緊急会合には、アゼルバイジャン、アルメニア双方の外相も出席した。アルメニアのアララト・ミルゾヤン外相は、アゼルバイジャン側の軍事行動を非難し、国連による監視団を派遣するよう求めた。
「戦闘行為と民間インフラへの攻撃を非難するよう呼びかける。また、国際人道法に基づいた義務の履行と、監視と人権や安全保障に関する評価を行う国連使節のナゴルノ・カラバフへの派遣を求める」
一方で、アゼルバイジャンのジェイフン・バイラモフ外相は、アルメニアがこれまでの合意に反してカラバフ地域の軍事化を行ってきたと主張した。
「国際社会はアルメニアの非建設的な行動のリスクと脅威を認めるべきだ。アルメニアが自らの国際法に反する行動を隠すために、安保理を悪用するのを拒否しなくてはならない」
このうえで、バイラモフ外相はナゴルノ・カラバフ地域のアルメニア系住民の権利と自由を保証すると表明した。
エレバンでは反政府デモ
一方、アルメニアの首都エレバンでは、アゼルバイジャンに譲歩の姿勢をみせているニコル・パシニャン首相に対する抗議活動が続いている。デモ隊は市中心部でベンチや電動スクーター、自動車などで道路を封鎖している。警察当局は22日、少なくとも84人を拘束したと発表した。
デモの参加者らはパシニャン首相がナゴルノ・カラバフに対するアゼルバイジャンの主権を認めようとしているとして辞任を要求している。ナゴルノ・カラバフは国際的にはアゼルバイジャンの領土となっているが、アルメニアはその主権をこれまで認めていなかった。
スプートニクはこれまでに、ナゴルノ・カラバフ紛争に関するこれまでの流れをまとめている。