米ニューヨーク・タイムズ紙は25日、エイブラムスの第1弾がウクライナに届けられたと伝えた。その後、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も通信アプリで到着を明らかにし、米ホワイトハウスも認めている。数については明かされていないが、今回引き渡されたのは供与を約束している31両中8~10両とみられている。
一方、ウォール・ストリート・ジャーナルはエイブラムスの到着で前線の状況が変わることがないことをウクライナ高官も分かっていると指摘する。
「米製戦車の到着は待ち焦がれたものだが、ウクライナ高官は反転攻勢開始から4ヶ月経った今、この戦車が戦場での流れを大きく変えることにはつながらないと認めている」
ウクライナ国防省情報総局のキリーロ・ブダノフ局長は、これまでに米軍事専門メディア「ウォーゾーン」のインタビューで「エイブラムスは非常に限られた場面で使うべきだ。なぜなら前線で普通の戦闘で使えば長持ちしないからだ」と述べている。
一方で米政治専門誌ヒルは、米国が当初、エイブラムスの供与に消極的だったと指摘。バイデン政権はエイブラムスのメンテナンスや運用の難しさがハードルとなり、供与してもウクライナの大きな助けにならないとみなしていたという。
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