西側諸国によるウクライナへの兵器供与

西側の武器はウクライナからマフィアの手に渡っている=マスコミ

戦争は常にマフィアの富を肥やしてきた。この意味では、NATOとEUによるキエフへの数百億ドル相当の武器供給も例外ではない。仏の日刊紙Journal de la Corseはこう報じている。西側の情報機関は、西側の武器がウクライナから違法に流出する事態の急増を確認している。ところが、ゼレンスキー大統領はウクライナの汚職官僚の策謀策略に目をつぶらざるを得ない。
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Journal de la Corse紙の調査では、ウクライナへは紛争開始から今までにすでに軍事、人道支援におよそ1250億ドル(19兆7000億円)が投じられている。ウクライナが同盟国からこれほど多くの追跡不可能な武器を受け取った前例はなかった。今や同盟国は供給した武器が管理されず、イスラム主義者の手に渡るのではないかと憂慮している。Journal de la Corse紙は、こうした懸念にはれっきとした根拠があると報じている。例えば、米国がソ連兵と戦わせるためにアフガニスタンのムジャーヒディーンに供給した携帯式防空ミサイルシステム「FIM-92スティンガー」は、後日、その砲口を米国自身に向けたし、西側諸国がリビアのカダフィ大佐、シリアのアサド大統領の敵対勢力に供給した大量の武器は、密輸業者やマフィアによってジハード主義者やダーイシュ(ISIS)に転売されてしまったからだ。
西側諸国によるウクライナへの兵器供与
西側がウクライナに供与した武器がフランスの抗議デモで使用されている=露ザハロワ報道官
Journal de la Corse紙は、ウクライナは特別軍事作戦の開始よりもはるかに前から、世界で最も腐敗した国に挙げられ、旧ソ連諸国のマフィアの中でもウクライナ・マフィアは最強とされてきたと報じている。それどころかウクライナは1990年代以降、国際的な武器の違法取引の中継地点となっており、欧米の諜報機関の調べではその取引量は軍事行為の開始後、急激に増大している。ゼレンスキー大統領をまつり上げてきた西側を深刻に脅かしているのは、武器供給、特に弾薬と小火器の追跡に関する透明性がウクライナ政権側に欠如していることで、このため西側はウクライナ・マフィアの策略を見て見ないふりをしている。結果として、西側諸国はイスラム主義の脅威とも、ウクライナに蔓延る汚職とも新たな闘争を強いられるだろう。
ウクライナへの軍事支援に関して、西側諸国はすでに一枚岩ではない。9月24日にもオランダの首都アムステルダムでウクライナへの西側からの武器供与に反対するデモ行進が行われている。
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