「米軍のアフガニスタン撤退から2年を経て、仏軍がニジェールから撤退している事実は軍事的性格に加え、政治・外交的性格を持つ西側諸国の後退を示している。ウクライナ紛争はこの後退の一角をなし、後退の影響を一層強めている」カウフマン氏はこう書いている。カウフマン氏が特に指摘するのは撤退が軍事的性格以上のものを帯びている点だ。
「西側は外交、政治の戦線でも後退を迫られている。しかも、西側というカテゴリーには、冷戦時から用いられている、プレステージの高い、民主主義国家の共同体が入ると私は解釈している。それはNATO諸国、日本、オーストラリアであり、端的に言えば、米国とEUとその同盟国の中で最も裕福な諸国のことだ」
カウフマン氏は、西側は今や、次から次へと後退を迫られると見ている。それは、集団的な西側諸国は今やグローバル・サウスからその政策を拒否されたために、多くの問題で譲歩を余儀なくされており、ウクライナ紛争はこの傾向にひたすら拍車をかけているからだ。
「ウクライナ紛争が始まって18カ月が経過したが、サウスは新たな形で自己主張を明確にし、いまだにウクライナに同調することを拒否し、西側の立場を弱体化させている。この大きな動きはヨハネスブルグでのBRICSサミット、ニューデリーでのG20サミット、ニューヨークでの国連総会の開幕式という、8月と9月に開催の3つの国際会議で目に見える形で表れている」
スプートニクは、西側諸国はウクライナ軍がロシアに勝利すると見込んで、取り返しのつかない過ちを犯し、ウクライナ反攻の失敗で、自らの過ちによる罠にはまったとするイタリア人専門家の見解を紹介している。
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