ブルームバーグのウェブサイトに掲載されたコラムに、リー氏はこのように綴った。
「ロシア産石油の価格上限を撤廃する時が来た。価格上限はロシアの収益を損なうものではなく、環境リスクを増大させる」
同氏によると、西側諸国による制限措置は、海上でタンカーからタンカーへ石油を積み替える危険な作業を増やし、事故や石油の流出が起きた場合に環境災害が発生する可能性を高めているという。
「ここ数カ月間、世界の石油価格が上昇するにつれ、ロシア産石油の価値も上昇している。ウラル原油は現在、1バレル当たり60ドルから100ドルに近づいており、ウラル原油を運ぶ船主のほとんどは価格上限を無視しようとしている」
リー氏は、価格上限の有効性は当初、ロシアが国際市場に石油を運送し続けるための西側の船舶とサービスを必要とし、西側が設定した上限の範囲内で石油を輸出する構えがあるかどうかにかかっていたと強調している。
さらに、船主は運送中の石油が上限に従って購入されたことを荷主から「証明する必要はほとんどなく」、たとえそのような書類が提示されたとしても、「証書に記されている内容が事実であるかを確認する意思も方法もない」という。
2022年12月5日以降、EUは海上輸送される露産石油の禁輸措置を導入。同日、日本を含むG7や豪州も露産石油に対する上限価格措置の適用を開始し、海上輸送の価格上限を1バレル60ドルに設定した。これに対しロシアは、今年2月1日より、契約で価格上限が直接的または間接的に規定されている場合、ロシア産の原油や石油製品を輸出することを禁止した。
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