庭で異国情緒 キウイの栽培方法

キウイを育てる際にはたくさんの注意点があり、知識と忍耐力が必要とされる。一方、努力は無駄にはならない。キウイはさわやかな味わいのフルーツでビタミンを豊富に含んでいる。キウイは中国原産のつる植物「マタタビ属(Actinidia)」の一種。キウイの苗は支柱を立てて誘引し、固定する。地植えする前に支柱を準備しておく必要がある。キウイを栽培するための土づくりにはさまざまな方法があるが、いずれの場合も欠かせないのが肥料。また剪定も必要不可欠となる。キウイの水やりは、季節や気候によって調整する。
この記事をSputnikで読む

キウイ

現代のキウイフルーツは、その祖先である中国の野生のつる植物の小さな緑色の酸っぱい果実とは大きく異なっている。この30グラムの小さな果実は、しばしば「中国のグーズベリー」と呼ばれていた。20世紀初頭に中国の野生のマタタビ属の苗がニュージーランドに持ち込まれ、大きな実をつける栽培用のマタタビ属Actinidia deliciosaの品種改良に成功した。Actinidia deliciosaの実はすでに100グラムに達し、風味も向上した。しかし、キウイの品種改良と新品種の開発で特に成功を収めたのが日本の研究者たちだった。日本では、重さが160g以上の緑色、黄色、赤色のキウイが販売されている。なお、日本の育種家たちが特に誇りとするのが扁平果ほらどキウイPREMIUM」だ。糖度が最も高いとされる白い果芯部が大きく、繊細な香りのクリームのような味がするという。
ほらどキウイPREMIUM
キウイフルーツについて、多くの学者たちは、世界で最も体に良い果物だと考えている。キウイの緑色の果肉には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、その含有量は世界で最も人気のあるその他の27種類の果物よりも多い。キウイはカロリーが非常に低いことでも有名だ。1グラムあたりのカロリーはわずか1kcal。さらにキウイは、食物繊維、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、抗酸化物質、その他の有益な物質の貴重な供給源でもある。中くらいのサイズのキウイ2個には、およそバナナ1本分のカリウムが含まれているが、カロリーは低くなる。まさにそのため、キウイは特に高齢者におすすめの食材としてあげられている。キウイは骨や血管を強くし、胃腸の働きを正常化し、体から毒素を排出するのを助ける。またキウイは、コレステロール値を調節し、目の健康を促進し、皮膚の状態を改善し、睡眠を正常化する。
一方、たくさんの有益な特性を持つキウイだが、食べてはいけない人もいる。医師たちは、胃炎の悪化、潰瘍、糖尿病、腎臓の問題、脂質異常症などと診断された人たちにはキウイを食べないよう求めている。
キウイ

キウイの説明

キウイフルーツは楕円形で、茶色の毛状の繊維で覆われている。果肉は緑色、黄色、赤色がある。皮は食べづらいため、皮をむいて食べるのが一般的。キウイの種は数は多いがとても小さいさいため、食べてもほとんど感じられない。そのため取り除く必要はない。キウイの味は独特だが、同時にグーズベリー、イチゴ、バナナ、メロン、リンゴ、チェリー、パイナップルの香りに似ている。キウイは生で食されるほか、飲み物、ゼリー、ジャムなどにも加工される。キウイはパイの中身やサラダにも適している。

キウイの品種

キウイは主に中国、ニュージーランド、イタリア、米国、フランス、日本、スペイン、ギリシャなどで生産されている。市場での地位を維持するために、育種家たちは常にキウイの栄養価を向上させ、新しい品種を生み出している。キウイの種類は約60種に及ぶ。最も有名なのは、ニュージーランド系のActinidia deliciosaと中国系のActinidia chinensis。店や市場で最もよく売られるているのはこれらの種類のキウイ。なお、それぞれの種類に複数の品種がある。ニュージーランド系で最も一般的な品種は「ヘイワード」。甘くて大きく(75〜100g)、皮は薄い。貯蔵性に優れており、輸送に適している。中国系で最も最も人気のある品種は「ゴールドキウイ」。ビタミンCが豊富で、皮が非常に薄いため皮ごと食べることができる。一方、「ゴールドキウイ」は「ヘイワード」よりも輸送性や貯蔵性が低いため、一般的にシーズンの初めに販売される。
1 / 2

ニュージーランド系のActinidia deliciosa

2 / 2

中国系のActinidia chinensis

キウイの植え付け時期

キウイの植え付け時期は早春から晩秋。一方、植え付けが早ければ早いほど、根の活着がよくなり、冬への耐性が高まる。また、キウイの成長は驚くほど早く、15〜25センチの苗が植え付け後1年で2.5〜3メートル成長する。キウイは通常、植えてから4年目の4月から5月に花を咲かせる。

土選びと準備

キウイは弱酸性または中性の土壌を好むため、苗に灰や石灰を与えてはならない。さらに根の大部分は表層から深さ40〜50センチの位置に集中するため、砂、腐葉土、針葉樹のおがくずを混ぜた土を用意する必要がある。大きな穴を掘り、土とよく混ぜた厩肥と泥炭を加え、そこに苗を植える。こうすることで水分が蒸発しにくくなり、根を保温することができる。育種家たちによると、根の表面の糸状突起を傷つけてしまうおそれがあるため、周辺の土を掘るべきではない。
キウイのプランテーション

苗の選び方

苗選びはまず第一に、キウイを栽培する場所の環境に関係する。その品種によって異なるが、キウイのつるは3〜4メートルから9メートル以上にまで成長し、剪定も役に立たないため、植え付けられた場所で窮屈にならない品種を選ぶ必要がある。また日光を好む品種もあれば、半日陰を好む品種もあるため、日当たりをしっかりと考慮しなければならない。程よい間隔を取るために、植え付け本数も考える必要がある。十分なスペースがあれば雄株と雌株を両方植えることができる。スペースが限られている場合は人工授粉をしたり、または自家受粉できる品種を選択する。

キウイの植え方

キウイを地植えする場合は、春、夏、または秋に行う。なお、植え付けが早ければ早いほど、根の活着がよくなり、冬への耐性が高まることを覚えておく必要がある。キウイのオス木とメス木を 1:4 または 2:5 の割合で植えると収穫量が最大になることがわかっている。なお、オス木とメス木は1〜2メートルの間隔をあけて植え付ける。
専門家らは、キウイの根は溜まった水の中に長時間留まることができないため、キウイは地下水位が浅い地域ではしっかり活着しないと警告している。そのため砕いたレンガ、膨張粘土骨材または砂利を用いてつくられた排水路(10〜15センチ)付きの直径60センチ以上、深さ30〜50センチ以上の穴に苗が植え付けられることがある。なお、キウイの苗は石灰が苦手なため、砕石などの石灰石は使用しない。
キウイのプランテーション

手入れ

キウイ栽培はあまり難しくない。例えば、誰もが知っているブドウと同じくらいの手間しかかからない。一方、苗が正常に育ち、たくさんの収穫を得るためには、守らなければならないルールがいくつかある。

肥料

苗に肥料を与える場合は、植穴の底に40gの硫酸カリウムを加えた肥沃な土壌を置き、その上に掘り起こした土にバケツ一杯の腐敗土を混ぜたものをのせる。そこには100〜200gの過リン酸石灰と30gの硝酸アンモニウムを加える必要がある。苗木は、おがくずまたはわらを混ぜた土で覆うが、表面の根系を傷つけないようにするため、土は踏み固めない。
パイナップルは美容と健康に良い 熱帯のミラクルフルーツ

水やり

キウイの苗の世話をする際に守らなければならない最も重要なルールは、定期的な水だ。キウイは乾燥に弱いため、猛暑時には枝に水を追加で噴霧することが必要になる場合もある。

剪定

キウイの剪定は毎年晩秋に行う。弱っている枝や枯れている枝、また枝先の込み合った枝を取り除く必要がある。枝先が込み合うと収穫や悪天候への耐性が大幅に低下するからだ。樹齢8〜10年に達した成木については、一番実がなる枝の剪定回数を減らし、例えば、3年に1回程度にすることが勧められている。
キウイのプランテーション

増やし方

果樹の増やし方はいくつかあるが、そのほとんどのやり方をキウイでも用いることができる。最も一般的なのは、挿し木などの栄養繁殖だ。栄養繁殖の場合は、冬の剪定の際に1年目の枝からカットした挿し穂、または夏の剪定の際に成長している枝をカットしたまだ柔らかい緑色の挿し木を植え付ける。その際、挿し木の直径は5〜10ミリで、少なくとも3つの芽が含まれていなければならない。挿し木はよく切れるナイフで45度の角度でカットし、水に1日つけたあと、根の成長を早めるために促進剤で満たした容器にさらに1日入れる。発根した挿し木は、事前に用意した土に植え付ける。

植え替え

キウイを鉢植えで育てる場合は、植え替えの必要性が生じる。根が成長して鉢が小さくなったら植え替える。定期的に肥料を与えているのに枝の成長が著しく遅くなり、適切な水やりをしても土がすぐに乾いてしまう場合は、今よりも大きな鉢に植え替える時期が訪れたことを意味する。通常、木が若いうちは少なくとも1年に2回は植え替える必要があるが、成長した木は2〜3年に1回植え替える。根詰まりした状態で放置すると枯れてしまう。植え替え時は、根を傷つけないことが重要。そのためナイフを使って鉢の周囲に隙間を作り、鉢をさかさまにして丁寧に取り出す。それを新しい鉢の中心に置き、鉢の上から2センチ程度あくようにして片手で株を支えながら、もう片方の手で鉢の底や隙間に土を入れる。植え替えが終わったらたっぷり水を与え、7〜10日間は直射日光の当たらない日差しが穏やかな場所に置いて管理する。

収穫

キウイは、その他の亜熱帯の果汁が豊富な果物とは異なり、晩秋に収穫される。収穫時期を正しく見極めれば、家庭でも長期保存が可能。収穫時期が早すぎると、保存中に皮にしわがよってしまい、キウイ本来の味や香りを楽しむことができない。収穫が遅すぎると、栄養価や味には影響がないが、保存期間が大幅に短縮されるため、生で食べられる期間が限られてしまう。キウイフルーツは、ヘタが簡単にとれ、指で軽く押したときにやわらかく、少しこすって柔毛が落ちたら、収穫時期。
1 / 3

キウイの収穫

2 / 3

キウイの収穫

3 / 3

キウイの収穫

病気や害虫

つる性植物は病気や害虫に対して優れた耐性を持っているが、それでも敵がいる。それはケムシ、ハムシ、クサカゲロウ、そしてキクイムシだ。害虫対策のために、春と秋に1%のボルドー液(硫酸銅CuSO4 5H2Oと消石灰Ca(OH)2の混合溶液)を散布する。これは、キウイがかかりやすいうどんこ病やその他の真菌による病気の予防としても使用できる。
コメント