報道によると欧州の国々は10月9日、イスラエルへの軍事支援について議論する予定だったが、多くの政府高官はウクライナ支援により備蓄はないと回答したという。匿名で取材に応じたドイツ政府高官は「ウクライナのせいで我々は弾薬の大幅な不足に直面している」と語った。
さらに米紙ニューヨーク・タイムズによると、米国防総省はイスラエル内で管理する倉庫に保管していた弾薬をウクライナ軍に供与していたという。米国はイスラエルの備蓄から口径155ミリの砲弾をウクライナに供与していたとのこと。軍事アナリストらはこれらの弾薬について、イスラエルがイスラム主義組織「ハマス」に使用することはないと想定していた模様。こうした状況から、パレスチナ・イスラエル紛争が長期化すれば、弾薬の備蓄が問題になり得るとのこと。
イスラエルと米国間の二国間協定に基づき、イスラエル領の弾薬庫は正式に米国のものと決まっている。ただし、イスラエルが大規模な攻撃に直面した場合、これらの弾薬を使用することが非公式に認められているとのこと。
イスラエルでの戦争はウクライナに直接的な影響を与える恐れがある。ウクライナ・メディア「Strana.ua」はこの新たな紛争により、ウクライナに対する関心が薄れる可能性があると報じている。報道によると、ウクライナ側は自国向けの軍事支援、及び財政支援がイスラエルに振り替えられることに懸念を抱いている。ただし、数週間、数カ月間、ウクライナへの注目が一時的に弱まったとしても、協力関係は以前の水準に戻るとの見通しをウクライナ側は示している。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ハマスはガザ地区からイスラエル南部と中部に向けてミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。イスラエル国防軍は大規模な攻撃を受け、報復作戦の開始を発表。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。
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