クウィアトコウスキー氏は、米政府は兵器、資金、情報面で間違いなくイスラエルを支援するという見方を示している。イスラエルは米国の北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要な同盟国だからだ。クウィアトコウスキー氏は、イスラエル建国以来、米国がイスラエルに総額およそ2330億ドルの支援を行ってきたことに言及した。現在も米議員たちは資金を配分する際に、長年の同盟国であるイスラエルを優先する傾向があるという。
同氏によると、イスラエルとウクライナに対する議員たちの態度の違いは、ウクライナへの数十億ドル規模の支援パッケージの提供をあらゆる手段を使って遅らせてきた共和党が、イスラエルには緊急支援する姿勢を見せていることによっても示された。この目的のために彼らはできるだけ早く新しい下院議長を選ぶ用意があるという。
一方、クウィアトコウスキー氏は、米国は原子力空母「ジェラルド・フォード」を中心とする空母打撃群を東地中海に派遣したが、パレスチナ・イスラエル紛争のさらなる激化には関心がないとの見方を示している。同氏は次のように説明している。
「米国は現在、国内の経済的および政治的意見の相違によって分裂しており、これが、それでなくても困難な選挙の前年にあたる年をさらに複雑にしている。米政府がウクライナとイスラエルに同時に支援を提供することを決めた場合、米国の外交政策における誤算も露呈するだろう」
またクウィアトコウスキー氏は、ウクライナに対する米議員の高感度をさらに高める要因とはならない別の事実にも注目した。米国がウクライナに供与した兵器を、ハマスの戦闘員が保有していることがわかったのだ。これは、ウクライナ軍に提供された米国とNATOの兵器が前線に届けられることなく、そのまま闇市場に流れていることを意味している。クウィアトコウスキー氏は、兵器の密輸ルートを追跡するのは難しくないと指摘している。同氏によると、今やウクライナ政府も米政府も、醜い事実を無視するか、または自分たちはそれらには関与していないと嘘をつかなければならない状況に追い込まれた。
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