報道によると、イランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外相はベイルートで国連のトール・ウェネスランド中東和平プロセス特別調整官と会談した。国連側はイラン外相に対し、中東における紛争の拡大を防ぐよう支援を求めたという。
イラン外相は紛争が地域戦争にエスカレートすることを望まず、ガザ地区でハマスに人質に取られている民間人の解放を支援したいと考えているとした。しかし、イランには独自の越えてはならない一線があると強調した。アクシオスによると、「イスラエルの軍事作戦が継続する場合、特にイスラエルがガザでの地上攻撃計画を実行に移す場合、イランは対応しなければならない」と警告したという。ウェネスランド氏はイスラエル政府のツァシ・ハネグビ補佐官(国家安全保障問題担当)に電話し、イランのメッセージを伝えた。
また、イラン国連代表部はSNSのXにコメントを投稿し、イスラエルが大量虐殺を直ちに止めなければ「状況は制御不能になる」と警告した。イラン側は投稿の中で、「戦争犯罪とイスラエルのアパルトヘイトによる大量虐殺が直ちに止められなければ、状況は制御不能になり、広範囲に結果を引き起こす可能性がある」とし、その責任は国連、国連安保理、そして安保理を袋小路に導いた国々にあるとつづった。
タスニム通信によると、イラン外相は14日夜、カタールでハマスの指導者、イスマイル・ハニヤ氏と会談し、激しさを増す軍事情勢について話し合ったという。双方は激化するパレスチナ・イスラエル紛争の軍事行動を巡る状況と、紛争終結に向けた外交の可能性について議論した模様。
ハマス掃討作戦まもなくか
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。これまでに双方の死者は合わせて2500人に達したとみられている。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
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