イスラエル人ジャーナリスト、バラク・ラビッド氏は、米政府高官3人とイスラエル政府高官1人の話を引用して記事を記した。
「ホワイトハウスは、ヒズボラがガザでの戦争に参戦し、巨大なロケット弾でイスラエルを攻撃した場合、軍事力を行使する可能性について議論している」
ラビッド氏の見解では、レバノンを拠点とするヒズボラが参戦すれば、中東におけるここ数十年で最悪の紛争を劇的にエスカレートさせることになるという。イスラエルとレバノンで民間人が大量に犠牲になる可能性が高まり、米国も巻き込まれる可能性があると同氏は指摘した。
米国は、抑止力として2つの空母打撃群を地中海東部に派遣した。
また、米国防総省の発表によると、オースティン国防長官は17日、米兵ら約2000人に中東派遣に備えるよう指示した。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。これまでに双方の死者は合わせて4400人を超えた。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
ロシアは双方に即時停戦と交渉の再開を呼び掛けている。ウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、紛争を解決するためには、パレスチナの独立主権国家樹立に関する国連安全保障理事会の決定を履行する必要があるとの考えを示している。
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