日本国内金価格、1万382円 中東情勢背景に2日連続で史上最高値

日本国内の金小売価格の指標とされる地金大手「田中貴金属工業」の店頭販売価格が19日、過去最高値の1グラムあたり1万382円となった。先鋭化する中東情勢などを背景に、前日に続く2営業日連続での記録更新となっている。
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同社のデータによると、19日の販売価格は前日より135円値上がりした。
同社の金価格は10月6日、この半年で最も低い9621円となっていた。だが、7日にイスラエル・パレスチナ紛争が激化し中東情勢が緊張するとともに、国内金価格は上昇に転じた。
金は安全資産とされており、地政学的リスクや金融不安が起こると価格が上昇する傾向にある。また、国際市場での金取引は主にドル建てのため、ドル高の時ほど日本円に換算した際の価格が上がるとされる。
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調査分析会社「マーケットエッジ」の小菅努代表は、ヤフーニュースの金価格に関する記事にコメントした中で中東情勢と円安が金価格に影響を与えていると指摘する。

「足元の金価格が過去最高値を更新している背景に、中東情勢の緊迫化が影響しているのは間違いない。ただし、昨年末と比較するとドル建ての国際金価格が+6.4%に対して、円建ての国内金価格は+19.8%と大きな違いが出ている。この差の要因は14.2%の円安であり、実際には円安で高騰している国内金価格が、中東の地政学リスクで上げ幅を拡大しているとの評価が妥当だろう」

小菅努
マーケットエッジ代表取締役
国内の金価格は今年3月、米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を皮切りに始まった欧米の金融不安を背景に、過去最高の9000円を突破し、その後も高水準で推移していた。
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