露朝関係の発展
ラブロフ外相は会談の冒頭で、9月の金正恩国務委員長の訪露などをふまえ、露朝関係が新たな段階に発展していると強調した。
「プーチン大統領と金正恩委員長による9月13日のボストチヌイ宇宙基地での歴史的な会談を経て、露朝関係は質的に新しく、戦略的な段階にきている」
ラブロフ外相は「ソ連は75年前、日本から朝鮮半島を解放する際に鍵となる役割を果たし、誕生した朝鮮の国(編注:北朝鮮)を最初に承認し、経済、科学、文化、教育などの分野での協力を進めた」とこれまでの二国間関係の蓄積を強調。「金日成同志と金正日同志の両国関係構築への貢献は忘れない」と述べた。
一方、北朝鮮の崔外相も、「両国外相の直接会談を通して同志の絆が強化されることは、露朝の長年に渡る歴史的友好がいかに発展しているかを証明するものだ」とラブロフ外相の訪朝を歓迎。さらに、今回の会談は「プーチン・金両首脳による首脳会談で合意に達した約束事の履行に向けた重要な瞬間になる」と付け加えた。
また、ラブロフ外相は記者団に対し、11月の露朝政府間協議では、経済貿易、科学技術分野での協力へ向けた議論を進めていくと明らかにした。そのなかにはエネルギー資源の供給や地質調査なども含まれるという。
朝鮮半島情勢
ラブロフ外相は記者団との会見のなかで、朝鮮半島をめぐる安全保障についても言及。緊張激化や日米韓による軍事的挑発に懸念を示し、北朝鮮や中国と協力しエスカレーションを許さない姿勢を示した。
「ロシアと北朝鮮は米国、日本、韓国による軍事的活性化や、米国が原子力分野を含む戦略的インフラを地域に移動させる方針に対し、深刻な懸念を持っている。我々はこの非建設的で危険な政策に対抗し、緊張緩和を保証し情勢の先鋭化を許さない方針をとる」
さらに、ラブロフ外相は「ロシアは北朝鮮と中国とともに対立の代わりとなる建設的な提案をするよう努める」と話し、朝鮮半島の安全保障をめぐる前提条件なしの定期的な交渉プロセスの醸成を支持するとした。
一方、会見でラブロフ外相は中東情勢についても触れ、「イスラエル・パレスチナ紛争がより広い地域紛争に発展する可能性は大きい」と述べ危機感を示した。
ラブロフ外相の訪朝
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