報道によると、米国防総省はウクライナ向けの155ミリ砲弾数万発をイスラエルに供与するという。これらの弾薬は緊急事態用のもので、米国内の兵器庫で数カ月前に発見されていた。消息筋によると、イスラエルへの兵器供与がウクライナ軍の戦闘能力に直接的影響を与えることはない模様。
国防総省のパトリック・ライダー報道官によると、米国からは既に弾薬を含む軍事援助の第一弾が現地に到着している模様。具体的には統合直接攻撃弾(JDAM)、精密誘導爆弾(SDB)、155mm砲弾などが含まれる。報道官によると、イスラエルは対ミサイル・システム「アイアン・ドーム」も追加で受け取るとのこと。
兵器供与が行われる中、米国務省のマシュー・ミラー報道官は中東の現状について、イスラム主義組織「ハマス」とイスラエル間の和解を仲介する時期ではないと表明した。ミラー報道官は記者団に対し、「調停の可能性に関して言えば、現時点で適切な措置は調停ではなく、イスラエルが他のあらゆる国と同様に自衛のために行動することだ」と語った。また、ガザの病院で起きた悲劇に関する国際調査は適切ではないとの考えも示した。「イスラエルはすでに十分な証拠を提供している」とし、イスラエル側の関与を改めて否定した。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
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