TOS-2は、ロシアの「重火力投射」システムの最新バージョンで、本質的には燃料気化爆弾を搭載したロケット弾を発射する多連装ロケット砲。その最初のシステムであるTOS-1「ブラチーノ」は1970年代に開発され、旧ソ連のアフガン戦争に参加した。
TOS-1とTOS-2の違いは?
また新しい電子戦システムは敵の精密兵器に対するTOS-2の防御を強化しており、射撃統制システムは精度を大幅に向上させている。
さらに、TOS-2にはクレーン・マニピュレーターが搭載されているため、特別な輸送積込み機械は必要ない。
TOS-2の射程はどのくらいか?
新タイプの弾薬は、「トソーチカ」がより遠くの標的を攻撃するのを可能にしている。TOS-1Aの最大射程は6キロだが、TOS-2の最大射程は少なくとも10キロ(一部の軍事専門家によると、最大射程は14~15キロ)。
また、発射管数24本のTOS-1Aは最大4万平方メートルの範囲を焼き払うことができるが、発射管数が18本に減少したもののTOS-2の一斉射撃は6万平方メートルの範囲を「灼熱地獄」に変えることができる。
搭載されている燃料気化爆弾により、TOS-2は屋外や塹壕で敵の歩兵を殲滅したり、要塞を破壊したり、軽量の装甲車両を燃えさかる金属くずの山に変えるための理想的な兵器となっている。
ロシアはTOSをどれくらい保有しているのか?
現在ロシアが保有しているTOS-1及びTOS-2発射機の正確な数を、オープンソースデータのみに基づいて推定するのは難しい。なぜなら、特に現在進行中のウクライナ紛争を背景に、ロシアの軍や治安当局者はそのような情報について、当然のことながら、沈黙を保っているからだ。
一方、ロシアメディアは2018年、当時ロシア軍はTOS-1A兵器システムを「70以上」受け取る予定だと報じていた。