最終声明をめぐる意見の相違
ガザ地区周辺の情勢に焦点を当てたカイロ平和サミットの終了前にもかかわらず、テレビ局「スカイニュース・アラビア」は、参加者たちはサミット終了時に最終声明を採択しないだろうと報じた。
現場の記者らによれば、アラブ諸国の代表団と西側諸国の代表の間には、パレスチナ急進派ハマスの動きを非難する問題について意見の相違があったという。さらに、最終宣言に「イスラエルの自衛権」という文言を入れることに、全員が同意したわけではなかった。
その後、この情報はドイツ外務省によって確かなものと認められた。カイロ平和サミットの参加者は、EUの「現在の中東危機の主な原因であるハマスによる残忍なテロ」を非難する意向のせいで、共同最終声明に合意できなかったのである。
ガザの援助について合意
カイロ平和サミットの参加者は、ガザ地区への人道支援物資の輸送について合意に達した。エジプト大統領報道官のアフメド・ファフミ氏は次のように述べた。「人道支援物資の輸送に関して、具体的なメカニズムが合意された」とスカイニュース・アラビアは伝えている。
ファフミ氏はまた、(人道支援分野においての)緊急措置を講じることがサミットの目標のひとつであったと述べた。
21日、最初のトラック20台分の援助物資がラファ検問所経由でガザ地区に到着した。その中には医薬・医療品、缶詰などが含まれていた。22日には17台のトラックによる第二次輸送隊が到着した。
ガザ地区の物資不足
しかしこのタイミングで、ガザ地区では保健システムは崩壊し、医薬品と燃料が底をつき、人道支援はまだ不足している、とシリアのSANA通信はパレスチナ保健省の声明を引用している。
「ガザ地区に入ってきている人道支援は不十分で、病院にまでは届いていない」
また、パレスチナ保健省によれば、医薬品の不足は壊滅的な結果をもたらす可能性があるという。
「世界はもっと多くのことを行わなければならない」
ガザ地区の人道状況は、国連開発計画、国連人口基金、国連児童基金、国連世界食糧計画、世界保健機関(WHO)の5つの国連機関による共同声明で、壊滅的と表現されている。
それぞれの機関は、停戦を呼びかけ、人道支援組織が支援を必要とする人々に手を差し伸べられるようにし、水、食料、医療サービス、燃料への安全なアクセスを可能にし、「さらなる人的な苦しみを防ぐ」ことを求めた。
声明の中では「世界はもっと多くのことを行わなければならない」と述べられている。
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