これに先立ち、トルコのハカン・フィダン外相は、中東情勢の悪化を背景に、和平が達成された場合、トルコはパレスチナとイスラエルのための保証の公式を提案すると表明した。とりわけ、トルコはパレスチナの保証国となる用意があるとのこと。トルコの提案について、地域諸国や西側諸国はまだコメントしていない。
外交筋は「トルコ側が提案した公式には、多くの地域諸国と西側諸国が関心を示している。フィダン外相はカイロ平和サミットでの演説で、参加国にこの案の本質を説明した。しかし、詳細や具体的な声明については、まだ話すことができない」と伝えた。
同氏は、「具体的な声明がない」として、この提案に関心を示した国については明らかにしなかった。
21日に行われたカイロ平和サミットでは、ガザ地区への人道支援物資の輸送について合意に達したものの、最終的に共同声明に合意することはできなかった。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。これまでに双方の死者は合わせて6000人を超えた。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
ロシアは双方に即時停戦と交渉の再開を呼び掛けている。ウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、紛争を解決するためには、パレスチナの独立主権国家樹立に関する国連安全保障理事会の決定を履行する必要があるとの考えを示している。
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