ラブロフ外相は、23日に行われた南コーカサスをめぐる「3プラス3」会合後、これを総括した記者会見で中東情勢について言及。「プーチン大統領は、中東に関する国際演説の中で、イスラエルの安全保障に対する我々の特別なコミットメントを一貫して強調してきた」と説明した。
「我々は、イスラエルがどのような地政学的状況の中で発展しているかを理解している。イスラエルに平和が必要であることを理解している。しかし、平和は隣国にも必要だ。これにはシリア、レバノン、パレスチナも含まれる」
ラブロフ外相は、ロシアはパレスチナ・イスラエル紛争の解決を促す用意があり、ロシアはそのすべての当事者と正常な関係にあると付け加えた。
ロシア、イラン、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニアの外相は23日、イランの首都テヘランで「3プラス3」形式の会合を行った。共同声明では、ガザ地区の民間人がしばしば標的となっている攻撃を止める必要性が強調された。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。これまでに双方の死者は合わせて6400人を超えた。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
ロシアは双方に即時停戦と交渉の再開を呼び掛けている。ウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、紛争を解決するためには、パレスチナの独立主権国家樹立に関する国連安全保障理事会の決定を履行する必要があるとの考えを示している。
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