ミラー報道官は「停戦すれば、ハマスに休息を与え、装備を整え、イスラエルに対するテロ攻撃を続ける準備をさせることになる」と指摘。「このような状況はイスラエルにとって耐え難いものだ」とした。
その上で、ミラー報道官は「この問題に関して我々が今後も続けていくのは、ガザに人道支援物資を届けることだ」と強調した。
先週、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、イスラエルとハマスの戦闘について人道的停戦を呼びかけた。EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表も、10月26〜27日に開催されるEU首脳会議で、EU首脳がガザ地区での人道的停戦の呼びかけを支持することを期待していると述べた。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。これまでに双方の死者は合わせて6400人を超えた。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
ロシアは双方に即時停戦と交渉の再開を呼び掛けている。ウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、紛争を解決するためには、パレスチナの独立主権国家樹立に関する国連安全保障理事会の決定を履行する必要があるとの考えを示している。
関連ニュース