レゲフ氏は、ハマスの人質全員が解放されたとしても、イスラエルはガザ地区への燃料輸送を許可しないだろうと指摘した。
レゲフ氏によれば「現時点では、ハマスの軍事組織にこれ以上燃料が送られることに我々は興味がなく、燃料(の輸送)も認可していない」という。一方、「医薬品や水、食料品については許可を与えた」とのこと。「政府の決定は、ハマスが燃料を盗み、イスラエルに発射されるロケット弾の動力源として使われ、イスラエル国民を殺す可能性があるため、燃料は輸送しないというものだった」と同氏は説明した。
一部の燃料はラファ検問所を通過できたが、そのほとんどは「銃を突きつけられて」盗まれたと言われているという。イスラエルは、その燃料がその後、軍事向けに転用されたと推測しているとレゲフ氏は補足した。
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスはイスラエル南部と中部に向けて突如ミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。ハマスの奇襲攻撃を受け、イスラエル軍はガザ地区への空爆などの報復作戦を開始。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。これまでに双方の死者は合わせて6400人を超えた。
ハマスの奇襲後、イスラエル軍は30万人の予備役を動員。また、議会では与野党が戦時下での挙国一致内閣を樹立させた。米国からの弾薬支援も受けるなど、本格的な地上作戦を準備しているとされる。
イスラエルのガラント国防相はこれまでに「ハマスは地球上から一掃される」と徹底的な報復を予告。イスラエル外務省も「ガザ地区で戦略的目標をすべて達成するまで軍事作戦を継続する」と妥協を一切許さない強硬姿勢を示している。
ロシアは双方に即時停戦と交渉の再開を呼び掛けている。ウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、紛争を解決するためには、パレスチナの独立主権国家樹立に関する国連安全保障理事会の決定を履行する必要があるとの考えを示している。
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