ウクライナでの露特別軍事作戦

ウクライナ軍総司令官がロシア軍の戦略を賞賛、「見くびってはならない」

ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官は英紙「エコノミスト」に発表した記事の中でロシア空軍と電子戦部隊の戦略を称賛し、ロシア軍を「見くびってはならない」と警告した。
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総司令官によると、ロシア空軍は依然として優勢で、空からの攻撃を継続しているほか、ロシア側は電子戦部隊を近代化しているという。総司令官は記事の中で、「この分野でロシアは我々より優れている」と指摘、ロシアの電子戦によりウクライナが発射する誘導ミサイルは有効性が著しく低下したとのこと。一方、ウクライナ側の妨害局は65パーセントがソ連時代に製造されたものだという。さらに新型無人機「ランセット」の貢献により、ロシアの対砲兵砲撃は改善されたとも分析している。そのうえで総司令官は「ロシアを過小評価すべきでない」と警告している。
さらに総司令官によると、ウクライナ側は現在、兵力不足に悩まされているという。ウクライナ領内で予備役を訓練する可能性は限られているほか、国民が様々な手段で兵役を逃れていると苦言を呈した。
これに先立ち、ウクライナ国家捜査局(SBI)は各地の入隊事務所に徴兵逃れのルートが構築されていると発表していた。ウクライナではこうしたルートにより少なくとも100人の予備役が国外に逃れたとのこと。
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総司令官はエコノミストのインタビューで、戦線は膠着したとし、ウクライナ軍がロシア側の防衛ラインを「深く、そして美しく突破することはできない」と回答している。当初は「どう計算しても」ウクライナ軍は4カ月以内に「クリミアに到着し、クリミアで戦闘し、クリミアから帰還する」はずであったにもかかわらず、進展はなかったという。ウクライナ軍は地雷原で立ち往生している間にロシアの大砲で西側から供与された兵器が次々と撃破されたとのこと。
総司令官は取材の中で、「私は当初、指揮官に何か問題があるのではないかと思い、何人かを交代させた」と指摘、それでも状況は改善しなかったことから、「我々の兵士がダメなのだろう」と結論付けた。
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先にタイムズ紙はザルジニー総司令官とウォロディミル・ゼレンスキー大統領の間で作戦展開を巡り意見の対立が起きていると報じていた。総司令官は反撃を終了し、現在の陣地を維持して翌年の作戦に備える必要があると主張している一方、ゼレンスキー大統領はこれに同意せず、反撃の継続を求めている模様。
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