【視点】日本の外国人労働者の採用増 労働力不足を補う唯一の手立て

日本政府は外国人労働者の採用分野に新たに自動車運送業(乗客及び貨物)、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加した。こうした分野に採用可能な外国人は相応の経験と資格を有することが求められる。今回、初めて外国人労働者に門戸が開かれたタクシー運転手やバスの運転手には日本語能力が採用条件になる。
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労働力不足の解消のための受け入れ見込み数は2025年度からの5年間で最大82万人を見込んでいる。
外国人労働者を取り入れれば労働力不足は解消されるのか?
サービスの質に影響はないのか?
将来、どんな変化が起きうるか?
人口の中で移民が大きな割合を占める国に特徴的な問題は起きないのか?
これについてスプートニクはCIS諸国研究所のウラジーミル・ジリヒン副所長に取材した。
「労働力不足を抱えているのは日本に限らず、出生率の低い国はどこも同じで、外国人の労働力を利用すれば一定の効果は得られている。だが作用は強い薬と同じで、効果はあるが、副作用も危険な現象も同時にある。これらは現地人と外国人の間に給与の同権が順守されない場合、不満が原因となって生じる。貪欲とは貧困であり、貧困とは過激主義だ。多くは外国人労働者に対する周囲の態度にも左右される。移民が連れてこられる国の言語についてどれだけの知識を持ち、社会規範に適応できるかも問題になる。
移民というのは現地の言語が話せても、大半の場合、同郷者と付き合い、地元民とは交わらない。共同体が出来上がり、内部では内輪もめも起こり、最悪の場合はマフィア的な構造まで発生する。いかにこれを防ぐかというのは、言うは易し、行いは難しだ。大勢の外国人労働者らを社会生活に組み込み、彼らと子どもに言語を教え、社会規範へ慣れさせ、彼らの不満、クレームに耳を傾けるなど、多くを行わねばならない。外国人労働者は良いとか、悪いとか言うことはできない。これはあまりに複雑な現象で、独自のプラスもマイナスもあるからだ」
モスクワ大学アジアアフリカ言語大学のアンドレイ・フェシュン副学長は、日本にとって外国人労働者の受け入れはおそらく、いくつかの経済部門での労働力不足を補う唯一の方法だとして次のように語っている。

「日本がこの方法を用いるのはこれが初めてではない。東南アジア諸国から、いわゆる技術研修生と言われる人たちや、台湾、フィリピンからの介護ヘルパーが来ている。だが、今回新たに開かれた枠ではより高い資格を持った労働者が必要とされ、ローテーション方式はもう通用しない。サービスの質を落とすことはならない。外国人労働者の各人に日本人のコーチがつく。彼らには困難を乗り越え、課題をこなすための手伝いを行うことが課せられている。法秩序の順守を受け持つのは日本の警察の役目だ。警察の課題は、外国人に自国の規範がまかり通る共同体をつくらせないこと。日本はすでに中古車、バイク輸送部門でパキスタン人の集団にこれを何度も許してしまっている。そこではいざこざもライバルとの犯罪に至る闘争もあった。ところが、外国人労働者を使うというトレンドはますます拡大しており、これとは別の方法で労働力不足を補えるとはとても思えない。このため、日本の国粋主義者らがこれを好むと好まざるとにかかわらず、この先も外国人労働者の流入は増えるだろう」

日本では2023年末の時点でクリーニング、工業製品製造、食品、建設、農業、病人老人介護などの12の分野で20万人を超える外国人労働者が就労している。
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