【視点】固い友情をバイデン・岸田両氏はアピール 果たしてどれほど続くのか?

4月10日、バイデン米大統領と岸田首相はワシントンでの会談後の記者会見で、ロシア、中国、北朝鮮に関連する現代世界の主要問題に対する立場の一致を確認したと明らかにした。スピーチでバイデン氏が「日米同盟は全世界にとって道しるべになっている」と言うと、岸田首相も、日本は「常に米国の側にしっかりと立つ」と返した。
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「グローバル政治におけるロシア」誌の編集長で、NGO「外交国防政策会議」の会長を務めるフョードル・ルキヤノフ氏はスプートニクに対し、岸田氏の米国接近戦略はかなりの部分、中国との有事の際を考慮し、「日本の安全保障は米国の助けなしには絶対に成り立たない」とする日本のエリートらの思惑から出ていると指摘している。

「日本はこれと同時に国際情勢における役割を大幅に拡大したい。岸田内閣は2022年、新たな国家安全保障戦略を採択し、軍事力の増強に多大な努力を払っている。日本は防衛費を倍増させ、地域のプレーヤーから世界のプレーヤーへとより高いポジションに移行するつもりだ。これに対し、欧米でも軍国主義化は政権与党が着手しているが、国民に支持されているわけではない。だが、日本では恐怖を煽る方法が『成功』しているようで、最新の読売新聞の世論調査によれば、回答者の84%が、国の安全保障に対する外国の脅威を感じるという結果が出ている」

米国への大接近は日本の国益に叶うのかという問いに、ロシア高等経済学院・欧州国際総合研究センターのドミトリー・ススロフ副所長は次にように語っている。

「これは何よりも、日本の安全は米国への接近を置いて他に守る手段はないとする岸田外相のビジョンに沿っている。今回のバイデン・岸田サミットから私が得た最も重要な結論は、アジア太平洋における反中陣営の強化だ。米国には二国間の軍事協力はほとんどなく、日米韓、日米比の三国同盟の方向で動いている。史上初の日米比3カ国首脳会議では、反中国協力についても話し合われる見込みだ。こうした米国への接近は長期的に見れば、地域を分裂させ、日本の利益にはならない。日米同盟が公然と反中・反露を示すことは、いかなる陣営にも関与を望まず、こうした対立に巻き込まれたくない、同地域の多くの国々にとって受け入れがたい。また、日本はこうした同盟に積極的に参加すればするほど、同盟に加わらない諸国を自分から遠ざけることになる。その結果、日本にとっての危険は増す一方だ」

両専門家らが注目するのはバイデン、岸田両首脳とも2024年中にも政界から「ログアウト」する可能性があることだ。だからこそ、両者ともその事態に備えたリスク対策を打っておきたい。岸田氏は9月の自民党総裁選で再選されない場合、首相ポストを降りる可能性が高く、今回の訪米でなんとしても支持率を上げたい。バイデン氏も11月の大統領選でトランプ氏を相手にした戦いが待ち受けている。
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