輸送は2009年から毎週行われており、2018年には舞鶴港まで航路が延長された。しかし2020年のコロナ禍のため、旅客サービスは休止され、貨物運送のみが運航されていた。2023年からは、イースタンドリーム号は東海-ウラジオストクと東海-境港の間で航路を再開した。しかし、これらは2つの別々のプロジェクトだった。今回、同社は3カ国を結ぶ航路を再開する。これは、今年4月にウラジオストク、東海、境港の3者間で締結された友好交流および協力に関する協定の延長によって促進された。韓国紙Hankyungによると、2023年、制裁と輸出制限品目の拡大により、東海港を経由する国際旅客船の貨物輸送量は4万1000トンから3万トンと27%減少した。その一方で、旅客数は2022年の同時期比で175%増の3万3000人に増加した。
観光シーズンの真っ只中、この新ルートの提案があるということは、観光客からの需要があることを見込んでのことか? スプートニクは、ウラジオストクの旅行会社スターツアーのマネージャー、アリョーナ・コルネエワ氏に尋ねた。
「私たちはこの新ルートについて検討し、すでに顧客にオファーしている。需要はあるけれど、特段ニーズが高いわけではない。このルートは当初7月の開始予定が、8月に延期されている。だが休暇は普通、前もって計画し、ツアーを購入するものだ。それに価格の問題もある。エコノミークラス4万7000ルーブル(8万3千円)から、プレジデントルーム60万1000ルーブル(106万円)まである。今のところ、購入するというよりも、電話での問い合わせの方が多い。この航路は観光目的の顧客よりも、日本で車や大型商品を買いたい人たちの方が関心を示していると思う」
旅行代理店の「マジック・ツアー」は、このルートを顧客用ツアープランには入れていない。 同代理店のアラ・ヴェルシコワ代表はその理由を次のように説明している。
「まず、この航路は中国経由の飛行機で行くより高い。フェリーのエコノミー席はキャビンではなく、12-17人が泊まれる大部屋で、各人に布団が渡される。子供連れの観光客にとって、これは難しい。4-6人用のキャビンはもっと高い。それにフェリーの運航は天候に左右される。 最後に、移動に3日間を費やすことになり、時間のロスになる。こうした理由から、私たちはこの航路はツアープランには含めず、自社独自のルートと滞在プランを顧客に提供している」
一方では日露関係、他方では日韓関係が複雑な状況にある中、ロシア、韓国、日本を結ぶルートの再開がどれほど重要な意味を持つのか? スプートニクは国際地域開発センターのイーゴリ・メラメド所長に尋ねた。
「人々を分断するのではなく、結びつけるものは、すべて良い。ただ、営利企業は慈善団体ではないので、主に利益を得ることを念頭に置くべき。 このプロジェクトが資金回収の観点から効果を生み出せるかどうかが将来を決める」