【視点】露朝間の包括的戦略パートナーシップは米日韓に相当なダメージ 辺真一氏

プーチン大統領は6月18‐19日、北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党総書記と会談を実施した。スプートニクはこの訪朝の成果について、朝鮮半島問題専門誌『コリア・レポート』の辺真一(ピョン・ジンイル) 編集長に見解をたずねた。
この記事をSputnikで読む
スプートニク:プーチン大統領の北朝鮮訪問はどういう成果を生んだでしょうか?
辺真一氏:基本的には互いの利害が一致するwin-winの会談だったことは間違いありません。北朝鮮はウクライナ戦争におけるロシアの立場を全面的に支持し、勝利までバックアップすることは今回はっきりしましたね。特に金総書記はロシアに対し、「同盟」という表現を使いました。
ロシアは北朝鮮の対米、対韓姿勢をはじめとする国内外の路線を支持し、北朝鮮の経済発展に貢献し、国際的な制裁を受ける北朝鮮を全面的にバックアップする姿勢を示しました。一言で言うと、ロシアはウクライナ問題で、また北朝鮮は経済面で、それぞれメリットと成果があった会談だったと言えます。
スプートニク:両側が署名した包括戦略的パートナーシップはどう評価されますか?
辺真一氏:これは一言で言うと、一方の国が敵から攻撃され、いわば戦争状態になった場合(日本の言う、「有事の際」)、軍事面も含め、速やかに協力、支援するという内容です。ロシアは今、欧米と対決してウクライナで戦い、それを北朝鮮は政治、外交、軍事の全ての面でサポートしています。つまり、もう既に北朝鮮はロシアに対して、このパートナーシップをやってるんですね。北朝鮮にとっては、朝鮮半島で米国と、または米韓と対立し、戦争に発展した場合にロシアが北朝鮮を支援するわけですから、非常に心強いバックアップです。私はむしろ、北朝鮮の方にメリットがあるのではないかと思っています。これは裏を返すと、米韓日にとっては、北朝鮮に対して先制攻撃や軍事的な攻撃をかける場合のリスクが非常に高まり、それができない状況になったということです。米韓日は包括的戦略パートナーシップのこの部分においては、相当ダメージを受けるのではないかと思います。
コメント