【視点】日本、NATOアジア支部化にまた一歩 岸田首相のサミット参加

米ワシントンでは9~11日の日程で、NATO首脳サミットが開催されている。今年は北大西洋条約締結から75年の節目で、加盟32カ国だけでなく、日本やウクライナを含む35のパートナー国の代表も参加する。
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このサミットの結果は、インド太平洋地域にどのような変化をもたらすだろうか?また、中国やロシアとの関係はどうなるだろうか?スプートニクは露軍事評論家のビクトル・リトフキン氏に話を聞いた。

「NATOはグローバルな枠組みで、ストルテンベルグ事務総長も以前、NATOは「インド太平洋情勢にも責任を持つ」と表明している。これは思いつきの発言ではない。今度のサミットでは日韓豪ニュージーランドの太平洋におけるNATOのパートナー4カ国による会合も開かれ、NATOとの定期的な連絡や情報共有、その他の協力枠組みの強化が議論される。

 個々の国家がNATOとの連携を強化するだけでなく、4カ国まとめてNATOとの関係を構築しようとしているのが特徴だ。これは事実上、アジア太平洋における米同盟国のNATO統合への更なる一歩となる。

 4カ国はNATOではないが、日本と豪州はすでに米国とともにQUAD(クアッド、日米豪印戦略対話)に参加している。クアッドは事実上、対中抑止を目的としている。また、米国はAUKUS(オーカス、米英豪の軍事枠組み)に日本やインドを引き入れようとしている。これは実質、NATOの「アジア支部」になる。

 米国はこの2つの枠組みで、指導的役割を果たしている。私が思うに、特にオーカスを通して、米国とNATOのアジア太平洋のコントロールが効くことになる。何もNATOに公式に加盟する必要はない。なぜなら、「北大西洋」の同盟は「アジア太平洋」には成り得ないのだから。

 ロシアや中国との関わりについて言えば、両国はすでにNATOの地政学的な敵に認定されている。だから特に大きく変わることはない。あえて指摘すれば、露中両国の更なる接近を促進するかもしれない」

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