トランプ氏はバイデン政権の対露政策についてコメントした中で、「制裁は好きではない」と述べた。また、中国本土による「攻撃」から台湾を防衛するという考えや、ウクライナ危機の関連でロシアを「罰する」試みについても同様に前向きではないと発言した。
トランプ陣営はバイデン政権の対露政策を批判している。陣営のクリス・ラシビタ上級顧問は共和党大会で次のように語った。
「我々は第三次世界大戦の瀬戸際にある。我々はつい最近、ロシア国内に対する米国製ミサイルの使用をウクライナに承認した。これは深刻な問題だ。プーチン氏は拡張の理由を探している。我々がプーチン氏に(領土拡大を)頼んでいるといってもいいくらいだ」
同じく共和党大会に参加した独立研究所分析センターのビル・エヴァーズ氏はスプートニク通信の取材に応じた中で、ウクライナのNATO加盟問題について言及し、次のように分析した。
「ジョージ・W・ブッシュ氏を皮切りに、ウクライナをNATOに加盟させようとする試みがあった。トランプ氏とバーンズ氏は、ウクライナが長期的に中立の立場を保つことにもっとオープンになるだろう」
また、専門家はロシア語話者が多数を占める、旧ウクライナ東部やクリミア半島の問題についても言及した。専門家によると、ロシアへの編入を巡る住民投票はソ連崩壊時に実施されるべきであり、その結果に基づいてウクライナの国境は変更されるべきだったと述べた。
そのうえで、トランプ氏が大統領選で勝利すれば露米関係は自国の利益を優先する形で構築されるとの見通しを示した。
プーチン大統領がこれまで再三指摘してきたように、ロシアを封じ込めて弱体化させる政策は西側の長期戦略であるものの、制裁は世界経済全体に深刻な打撃を与えている。