【視点】東証暴落 失望売り、それとも経済危機の前兆?

5日、日経平均株価と東証株価指数がそれぞれ13.5%と12.2%下落した。日本の自動車メーカーの株価も値下がりした。トヨタ自動車は11.31%安、ホンダは11.89%安、三菱自動車は9.61%安、日産自動車は10.29%安、スズキは12.43%安となった。
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これを背景に円相場が急騰、日経平均株価やTOPIXの構成銘柄の大部分を占める日本の輸出関連株にさらなる圧力がかかった。5日、円相場は一時1ドル=143台後半をつけ、今年1月以来およそ7カ月ぶりの水準となった。
専門家らは株価暴落の原因や、これが日本経済に与える影響についてどのように考えているのだろうか?投資グループ「Fina」の株式分析部門の責任者ナタリア・マリフ氏は次のように述べている。
「日経平均株価の下落にはいくつかの要因がある。まず、先週発表された米国経済に関する弱い指標が、米国ひいては世界経済の来たるべき景気後退への懸念を強めた。7月の米国の製造業景気指数は予想を下回った。この少し前には、中国のマクロデータも製造業とGDPの悪化傾向を示した。2つ目に、ウクライナと中東における地政学リスクの高まりが見られる。3つ目に、米国の取引所、外国為替市場や商品市場のボラティリティが、信用取引のポジションを維持するための株式に関するポジションのクローズを引き起こした可能性がある。そして最後に、円高が急速に進み、これが日本の輸出業者にとってはマイナス要因となった。現在のパニック売りを考慮すると、2万7500〜2万6000ポイントまで下落が続く可能性が高く、13〜17%の下落率になると予想される」
CIS 金融銀行協議会の理事長、パーベル・ネフィドフ氏は次のような見解を示した。
「日経平均株価が下落した最も重要な原因の1つは、ハイテク企業の株価が最近大きく上昇したが、それは必ずしも妥当ではないことにある。それは一種のラリーだったが、人々が稼いだ金の取り戻しを開始するには、少し働きかけるだけで十分だった。アジアの証券取引所の状態は現在、神経質な展開となっているが、これがどのくらいの程度なのかを見極めなければならない。少なくとも1週間は状況を監視する必要がある。下落が長引いたとしても、失望売りではなく、徐々に横ばいになるというシナリオもある。下落が続けば金融市場は動揺する。ハイテク企業は銀行に対して一定の義務を負っているからだ。彼らは有価証券を担保にしている。そして、これが経済の他のセクターの足を引っ張る可能性がある。株価の暴落は大規模な経済の混乱を引き起こすおそれがある。最も有名なのは、1929 年の米国株式市場での暴落であり、これは 1930 年代の大恐慌として知られる世界的な経済危機を引き起こす重要な要因となった。一方、株式市場は実体経済ではない。株価は、例えば過大評価の修正など、さまざまな理由で変動する可能性があり、大幅に下落しても必ずしも成長の鈍化につながるわけではない」
日本政府は東京株式市場で日経平均株価が暴落したことについてコメントを避けたが、動向を注視するとした。
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