ロシア政府指導部に対する日本の制裁は致命的な過ち=外務省元高官

日本政府はロシアとの平和条約交渉を進める姿勢を示しつつも、ロシア連邦の指導者に対する制裁を導入することで、そうした交渉のメカニズムを自ら破壊したが、これは致命的な過ちだった。ロシア政治の専門家、東郷和彦氏(元外務省欧亜局局長)がスプートニク通信の取材に応じた中で指摘した。
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東郷元局長は2001年に露イルクーツク市で行われたプーチン大統領と森喜朗首相(当時)の首脳会談準備や、ゴルバチョフ初代ソ連大統領の訪日準備(1991年)に向けて中心的役割を担った。
東郷氏によると、日本政府はロシアがウクライナに負けることを期待しており、ロシアの敗北後に平和条約交渉を再開するつもりだという。そうした判断でプーチン大統領に制裁(2022年3月1日)を発動したものの、これは「致命的間違い」だとした。ロシア側はこの制裁に反発し、日本政府との平和条約交渉凍結を発表した。
日本政府はロシアの敗北に賭けている以上、戦闘継続を主張するゼレンスキー氏とバイデン氏に同調しており、それこそが致死兵器を除いて日本がウクライナに支援を提供する理由だと東郷氏は説明した。
さらにプーチン氏の娘とされる人物らに日本政府が制裁を発動したことにも言及、「ある種の官僚主義的なミス」であり、それ以外に説明しようがないと語った。
日本は2022年3月以来、1070人のロシア人に個人制裁を課したほか、847社の企業や団体に対して資産凍結、537社に対して輸出禁止を発動した。
これに対し、ロシア連邦は西側の制裁圧力に対処できていると繰り返し表明している。プーチン大統領は制裁について、ロシアではなく世界経済に深刻な打撃を与えるものだと評価している。メドベージェフ元大統領も西側の封じ込め戦略に言及、対ロシア制裁の失敗を認める勇気を持つべきだと助言している。
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