石破新首相が表明の衆院解散、総選挙実施 その意図は?

与党自由民主党の総裁選で勝利した石破茂氏は、首相就任後直ちに新内閣の組閣に着手すると述べ、10月27日に総選挙を実施する意向を表明した。総選挙の結果次第で、どの政党が衆議院を制するかが決まる。
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なぜこのような決断をしたのか、この選挙での各党の勝算はどんなものなのか。ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所、日本研究センターの上級研究員オレグ・カザコフ氏は、これは石破氏の独断ではないと見ている。
「これは、岸田氏と自民党への支持率低下が原因で、岸田氏が自民党総裁選への立候補に不出馬を表明した後、自民党内で対応策が決められたのだと思う。おそらく、この問題はすでに党指導部では議論されていた。石破氏は、自民党が別の異なる状況に置かれるよりは、より良い選挙結果をもたらすだろうという文脈の中で、党の政策方針を語っただけ。支持率の低下は党にとって大きな問題、岸田政権のもとではこの問題がかなり長く続き、なんとかせねばならなかった。日本には、世論調査という、国民の選挙に対する支持率をある程度反映する、よくできた仕組みがある。事前の世論調査では、回答者の大多数が石破氏に期待を寄せていることを示していた。その結果、彼は党の総裁に選ばれた。そして、石破氏の就任によって、自民党の地位は向上し、次の選挙では、自民党をとりまいていたネガティブなイメージを払拭し、次の選挙を優位に進めていくチャンスを得たと言うことができる。これが今回の重要なポイントだ。」
カザコフ氏は石破氏が自民党総裁に選ばれたのは、ひとつには政治闘争の結果であり、もうひとつには日本が直面する課題の優先順位を反映したものだという。
「自民党には、経済に詳しく、首相候補者として国民に受入れやすい高市氏を支持するか、安全保障問題をより重視する石破氏を支持するかの選択肢があった。石破氏が選ばれたということは、日本にとって安全保障が国の経済状態よりも優先されたということ。日本のアナリストらは、ウクライナやイスラエルの状況を見て、日本は奇襲攻撃を受けた場合、あるいは近代戦の手法の面でも脆弱だと結論付けている。この観点から、日本の防衛力強化のためのあらゆる努力が様々な面で強化されつつある。だが、いくつかの決定は国会の承認が必要だ、だから、すでに衆議院の半数以上の議席を持つ自民党は、さらに良い選挙結果を期待している。」
今度の選挙で他の政党が成功を収めるチャンスについては、カザコフ氏はセンセーションを期待すべきではないと言う。 選挙運動のための時間がほとんど残されていないこと、他の政党が有権者に対して説得力のある政策を示していないこと、国民心理が自民党に有利に働く可能性が高いことなどから、選挙全体の結果が現状と根本的に異なることはないだろう。
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