【視点】日本からロシアへの輸出制裁リストから、マイルドハイブリッド車が除外?

10月、日本からロシアへの自動車輸出は約1.5倍に増大した。日本財務省の統計によると、2024年10月、日本製自動車のロシアへの輸出は前年同期比で45.8%増加、関連部品は27%増加している。
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2022年春、日本はロシアへの新車輸出に制裁を課したが、中古車の輸出は継続していた。2023年8月には、中古車を含む、排気量1.9リットル超のガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)が、ロシアへの輸出制限対象に加わった。
それにも関わらず、なぜ今年10月にロシアへの輸出が増大したのか?ウラジオストクに拠点を置く、日本車を専門に扱う自動車の輸入販売会社「ジャパン・トランジット」の代表、ドミトリー・クラタエフスキー氏は次のように話す。
「私は、日本からの輸出禁止の制裁措置が緩和されたとは言いません。当初から、マイルドハイブリッド車(MHEV)の輸出は禁止されていませんでした。これは、日本のブローカーや輸出業者が、制裁品目に当たるか否かを判断する際に、書類に 『ハイブリッド 』と記載されるすべての車をロシアへの販売禁止対象としたことが原因です。今、自動車販売が低迷しています。だから、日本側は制裁対象の商品を再確認し、実はマイルドハイブリッド車も輸出可能であったことが判明したというわけです」
マイルドハイブリッドはエンジンとモーターを動力源とし、車をすばやく始動させることができるが、モーターの出力は控えめで、それだけで走行することはできない。マイルドハイブリッドの燃費向上は5%〜10%と言われている。
また、10月の統計では、日本から中国への自動車輸出台数は26.8%減、ヨーロッパ向けは29.2%減、米国向けは8.9%減と大幅に減っていることが気になる。 日本中古車輸出業者協同組合(JUMVEA)によれば、「ロシアは、アラブ首長国連邦(UAE)に次いで、日本の中古車輸出において、アジアの中で最も重要な市場の一つである」という。
「日本の統計は、新車と中古車を区別していません」、とクラタエフスキー氏は続ける。「統計としては、2024年の10ヶ月間に、ウラジオストクの税関は個人使用目的として日本から22万5000台以上の車を通関しています。今では、マイルドハイブリッド車の輸入も可能になりました。これには、スズキ、マツダ、三菱、日産、ホンダ、メルセデス・ベンツ、アウディの各モデルが含まれます。そしてこれらは比較的走行距離の少ない右ハンドル車で、特に極東やシベリアの住民の間で大きな需要があります」
ロシアのオンライン融資サービスを提供する会社、ウェブバンキール(Webbankir)の調査によると、ロシア人は日本やヨーロッパの自動車メーカーのブランドを好み、中国製よりも高価だが高品質だと考えている。アンケート回答者の42.6%が日本車を支持し、38.9%が欧州ブランドを支持している。ロシアは、「日本車と欧州車が国内に戻ってくるよう、あらゆる手段を講じる」と、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官が11月14日に述べている。
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