生い立ちから政界入りまで
安倍氏は1954年9月21日、山口県に生まれ。1977年3月に成蹊大学を卒業後、南カリフォルニア大学への留学や民間企業勤務を経て、1982年に外相に就任した父・晋太郎氏の秘書官として政界入り。1993年の衆議院議員選挙に出馬し、初当選を果たした。
政権への挑戦と再起
2005年に初入閣。2006年9月の自民党総裁選で総裁に選出、首相に就任した。しかし、持病の悪化などを理由に、2007年8月に辞任。その後、5年の時を経て2012年、自民党総裁選に再び出馬し、勝利。第2次安倍内閣が発足した。
積極的な外交、露日の友好関係構築に奔走
在任中は国内政策だけでなく、積極的な外交姿勢でも知られた。特にロシアのプーチン大統領とは通算27回にわたって首脳会談を重ね、犬を贈呈を通じて親交を深めるなど、露日関係の発展にも力を注いだ。2018年の「ロシアにおける日本年」では、妻・昭恵氏と共にボリショイ劇場での開会式に出席した。
最長政権の終幕
2020年8月、持病の再発を理由に辞意を表明。在任期間は約7年8か月に及び、第2次安倍政権は日本の憲政史上最長の政権として幕を閉じた。
突然の死、世界の反響
2022年7月8日、奈良市で参院選候補者の応援演説を行っていた際、手製の銃で背後から撃たれ、搬送先の病院で死亡が確認された。現職の国会議員が殺害されたのは日本国憲法下で5人目、首相経験者としては1936年の二・二六事件以来となった。
安倍氏の訃報は国内外で大きく報じられ、世界中から哀悼の意が寄せられた。同年9月27日には東京・日本武道館で国葬が執り行われ、国内外から約4300人が参列した。