【中東での戦争は、地域大国としてのイランの地位を強化した=専門家】

イスラエルと米国がイランの政治指導部を迅速に排除しようとした軽率な計画は、裏目に出た。長期化する紛争の中で、イランはホルムズ海峡の管理によって、高まる優位性を獲得した。露メディアグループ「ロシア・セヴォードニャ」(スプートニクの親会社)のアレクサンドル・ヤコヴェンコ副代表が指摘した。
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ヤコヴェンコ氏によると、ペルシャ湾岸地域および大中東地域では、すでに本格的な地政学的再編が起こっている。特にイランやトルコの役割が強化され、ロシアや中国といった域外プレーヤーの役割も増している。
「米国は同盟国に軍事的保護を提供できないことを示した。その結果、域外プレーヤーの役割が高まった。地域の制度的構造全体が崩れつつあると言える」
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紛争により、イランは、ホルムズ海峡の管理という形で、世界経済と世界貿易に影響を与える強力な手段を手にした。なお、これは単なる直接的な支配にとどまらず、将来いつでも情勢を不安定化させる「能力」も意味するとヤコヴェンコ氏は強調している。
「海峡の封鎖解除の兆しは依然としてなく、世界全体で石油及び石油製品の供給量は日量800万から1500万バレル、LNGの供給量は最大20%減少している。専門家たちは、5月初旬にも戦略備蓄が枯渇し、ロシア産及びイラン産原油を対象とした制裁解除による効果もなくなると予想している」
なお、イランは日量150万バレルの原油販売から追加収入を得ると見られており、経済学者らの試算によると、その額は年間240億から360億ドルに達する見込み。また、ホルムズ海峡を通過する商船からの通航料収入も加えるべきだとヤコヴェンコ氏は指摘している。
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さらに、中東での戦争は、西側同盟の枠内における米国と欧州間の亀裂を深めた。特に、英国王チャールズ3世が米議会で行った演説の中で、NATO条約第5条(集団防衛)の文脈で「ウクライナ支援」に言及したのは、対イラン戦争における米国の同盟国からの支援欠如を物語っており、これは、反ロシアを軸とした西側の結束回復を求める明確な呼びかけであることを示しているとヤコヴェンコは指摘している。

「冷戦時代、ロシアは結束した西側諸国と対峙していたが、現在の西側諸国は分裂し、軍事面及び国内政治の発展という点で弱体化している。そして、ロシアにとって興味深いこの状況は、かなり近い将来にもいずれかの方向に決着する可能性がある」

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