ロシアのプーチン大統領は、議長国としてロシアが優先的に取り組むべきものに触れた際「ロシア政府は、統合に向けた作業の継続性を保障しながら、新しい考えによって実際の作業を豊かにするよう努力するだろう」と述べ「BRICSの最も重要な仕事の方向性の一つとなるのは、イスラム世界との協同行動だ」と指摘した。
ブラジル、ロシア、インド、中国そして南アフリカのBRICS5カ国は、巨大な経済的政治的潜在力を有し、極めて重要な事に、その力は、あらゆるレベルにおいて現存の世界秩序の調和に向けられている。グローバルな金融経済システムから安全保障問題に至るまで、現代世界をリードする米国とその主要な同盟国の路線は、BRICS諸国にとって見れば、危険であり正しくないもののように思われてならない。彼らが主導するようなものではなく、あべこべに、あらゆるプレーヤーの利益を考慮した、互恵的な協力や建設的な対話こそが、国際関係において当然の実りあるモデルである。ロシア政府は、BRICSの現メンバー国の間の利益の調和を図り、今後の統合拡大を保障し得るようなアプローチを進めている。そうした拡大は、あらゆる事から判断して、決して遠い将来のことではない。BRICSへの加盟が期待される国に、インドネシアがある。この国は、世界最大のイスラム国家で、経済成長のテンポやポテンシャルにおいて、発展途上国のリーダー国の一つに数えられる。
ラジオ・スプートニク記者は、ロシア経済最高学院のアレクサンドル・アブラーモフ教授に意見を聞いた―
「BRICS加盟国は、今日、イスラム世界との相互行動を益々積極的に進めている。エジプト、トルコ、インドネシアは言うまでもなく、パキスタンとも関係を深めている。こうした国々との貿易取引高は、急激に伸びており、数々の新しい共同プロジェクトも現れている。例えば、南部輸送回廊の建設だ。連帯的統合としてのBRICSの行動によって、こうした協力の枠の拡大が可能となっており、法律や金融など新しい方向性も見込まれる。例えば、BRICS発展銀行の創設だ。これには、イランも参加する可能性がある。」
最後に指摘したい事は、トルコやナイジェリア、エジプトやイランと言ったイスラム国が、BRICS加盟を極めて前向きに検討中だという点だ。そうなれば、この国家統合体は、国際関係の新たな概念を実現したものになるだろう。それは、西と東、そして南のバランスのとれた協力を基盤にした、かつ今あるものより、もっと公平なグローバル・ガバナンス・メカニズムの分配の上に立った関係である。さらに国際規模での幅広い人道的対話の必要性については、今さら言うもでもない。まさにそれが無い事が、現在の深刻な紛争の土壌となっているのである。