2014年の激しい値動きに比較した場合、現在の値上がりはたいした動きとはいえないものの、一方でこれは、中東諸国連合の行う作戦がいかに世界を驚愕させているかを物語っている。
石油市場ではこうした突発的な反応は通常のこと。イエメンはそれ以外のペルシャ湾岸諸国に比べた場合、石油輸出国プレーヤーとしては大国ではなく、産出量はたいした数値ではない。にもかかわらず、こうした市場の反応が起きたのは、何が原因だろうか?
これについて、エネルギー関連情報のプラッツ通信社のベット・エヴァンス編集長はRT(ロシア・テレビ)からのインタビューに次のように回答している。
「この地域には石油輸送の戦略的に重要な海上輸送路がある。そのひとつがバブ・エル・マンデブ海峡。これはジブチとイエメンの間にある。サウジアラビアはこれを石油輸出のために利用している。この重要な輸送路が敵の手に落ちる事態となれば、サウジにとっては石油輸送の可能性が著しく制限されてしまう。」