ロシアの忍者教室 創立25周年

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モスクワ中心部の近くに、伝説的な日本の忍者が有してた能力教える忍者教室がある。なお、ここは秘密の場所ではない。今年、ロシアの忍者教室は、創立25周年を迎える。

この間、忍者教室は、日本文化および世界共通の文化にとって不可分な部分である忍者の武術の伝統をロシアで教え続けてきた。忍者教室の教師アレクサンドル・バイコフスキーさんは、次のように語っている。

「忍者教室の正式名称は、『カテダ範流・実践憲法武道・忍びの術』です。『カテダ』とは、最後の師範の名前です。『実践憲法武道』とは、生き残るための能力を習得することを目指した、スポーツとは別の武術システムです。そして『忍びの術』ですが、これは忍者戦士の調和のとれた発展を意味しています。なぜなら『カテダ流派』は、日本の忍び、すなわち伝統的な忍術を基盤としているからです。『カテダ流派』の起源は、13-17世紀の吉野の山麓、現在の奈良県にあります。ロシアの忍者教室『カテダ流』は、1990年に創設されました。忍者教室『カテダ流』は、稀有な忍術を保存し、外界の影響から若者たちを守り、健康的なライフスタイルを植えつけるために、オリンピック競技ではないものの日常生活で有益な武道として忍術を普及させるために創設されました。私たちは、ロシアの発展に貢献するために、肉体と精神の訓練方法を作成するという課題を自分たちの前に掲げました。私たちは、若い世代の人々が健康的で、生活に適応し、ロシアを守ることができ、ロシアを愛する人に成長することを願っています。」

モスクワの忍者教室の創設者セルゲイ・トロフィモフ氏は、国際師範の肩書きを持ち、武術と武道の8段を取得し、忍法体術の最高段位の赤帯を持っている。1993年、モスクワの忍者教室は、国の認可を受けた。そして2009年、忍者教室にとってもう一つの重要な出来事が起こった。バイコフスキー先生は次のように語っている

「2009年に忍者教室『カテダ流』は、日本武道館、日本古伝武術居合道連盟、日本古武道協会のような日本の公式な組織で認定され、会員となりました。そして『カテダ流』は、日本で公式に認定されたロシア初の忍者教室となりました。その他、ロシアの忍者教室『カテダ流』は、独自の忍び、すなわち忍者スタイルの特性を日本で証明したロシアならびに世界で唯一の忍者教室です。2010年に『武道の家』として全世界で知られている日本武道館で、『忍びの術』のスタイルが認められました。日本の師範たちは、私たちの教室の技術が古代の知識と完全に一致していたことに驚きを表しました。そして訓練と儀式の知識を伝える古代の原則を順守している伝統的な武術の流派、『古流』として認められました。これは非常に高い評価です。そしてこれは、日本の文化、伝統の基盤に忍者教室『カテダ流』が関わっていることを武道史において認め、確認する貴重な事実でもあります。」

モスクワの忍者教室には事実上、「入学制限」はない。忍者教室では、大人も子供も学んでいる。特に魅力的なのは、モスクワの忍者教室には、スポーツの場でよくある「将来性のない」子供はいないことだ。健康診断書があれば、太っている人でも、痩せている人でも、内気な人でも、動きの遅い人でも、その反対にせっかちな人でも誰でも学ぶことができる。バイコフスキー先生は、次のように語っている。

「年齢に関係なく、誰でも忍者教室で学ぶことができます。スポーツの選抜大会で選ばれなかった人にも扉が開かれています。忍者教室の創設者セルゲイ・トロフィモフ氏は、全ての生徒に同じ練習をさせるのではなく、一人ひとりの個性を大切にしながら指導しています。そのため私たちの教室には、『すごい』グループも、『落ちこぼれ』のグループも、『優秀』なグループも『ダメ』なグループもありません。生徒達は、彼らが自ら発展、成長するように、自然に成果をみせています。各自がこのような環境を快適に感じています。何よりも大切なのは、私たちの教室の活動が、人間一人ひとりの個性を伸ばすことや、忍耐力を身につけたり、武道の精神的、道徳的な側面を理解することに方向付けられていることです。今の時代、これはとても珍しいことです。」

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もちろん子供たちは、「個性を伸ばすこと」を考えながら忍者教室に通っているわけではない。子供たちは、映画や漫画などで見た神秘的な忍術にひきつけられている。そして練習にのめり込むようになり、文字通り、変貌する。より規律正しく、機転が利き、自信を持つようになり、困難を克服することを学び、「自分を超える」ようになる。バイコフスキー先生は、次のように続けている。

「忍者スパイの冒険を描いたアクション映画の忍者のイメージは、ロシアの忍者教室『カテダ流』が行っているものと一切共通点はありません。私たちの教室では、あらゆる種類の格闘技を学び、武道の技術を習得し、ヌンチャクや竿などの様々な道具の使い方を学んでいます。教室の生徒達は、剣や弓、またシュノーケルなどの珍しい道具の使い方も学んでいます。シュノーケルを使っているのは私たちだけです。忍者の呼吸法、チベット僧の健康増進法や、その他たくさんの有名なもの、あるいは謎めいたものは、忍術にしか存在していません。忍者教室での練習はとても興味深いものです。なぜなら、実践憲法は700年以上の歴史を持つ非常に古いシステムだからです。これはまず、敵との戦いです。戦いの最中には、俊敏な手の動きや筋肉の力よりも明確な意識のほうが重要です。このような調和や人間のポテンシャルの開発は、『精神と肉体の統一訓練システム』という名の他のスポーツシステムとは別のものです。練習は多様で、たくさんのゲームが取り入れられています。トレーナーたちは、自分たちの手法や道具の使い方を教えます。新たな手法の開発は、自分の技術を応用することを助けます。その結果、生徒たちの創造性が芽生え、向上し、視野が広がります。子供たちは周囲の世界に上手に適応するようになります。」

忍者教室は、いかなるイデオロギーも宗教的傾向も持っていない。忍者教室の唯一の信条は、健康で、悪を許さず、他人の意見やあらゆる文化、宗教には寛容な人間を育てることだ。バイコフスキー先生は、次のように語っている。

「世界中の人々が、『こんにちは』、『ありがとう』と言い、人生を楽しみ、悪と闘っています。忍者教室では、様々な宗教、見解、職業の人が学び、教えています。ですが、私たちの教室にも哲学があると言えるでしょう。それは、人間であることです。人間という言葉を私は強調します!人生で困難に直面した時、忍者教室の生徒たちは様々な解決策を見出すことができるはずです。他人の名誉や尊厳を物理的なレベルで擁護することもできれば、問題を対話によって解決することもできます。行動を起こすことによって人間であり続けること。これが武道の道徳です。忍者教室『カテダ流』の活動ですが、これは武道の発展や深化だけではなく、文化の一部として武道に接することです。例えば、現在、忍者教室『カテダ流』を基盤に扇や剣を持って行う剣舞が発展しています。書道のクラスもあります。また武道博物館も設立されています例えば日本文化フェスティバル『日の出ー2013』など、ロシアと日本の団体との共同プロジェクトなども行われています。最近では、吹き矢フェスティバルも開かれました。」

筒に入れた矢を吹いて的に当てる「エアダーツ」とも呼ばれる吹き矢は、忍者教室に通う年配の人々の間で特に人気だった。年配の人々にとって忍者教室は交流の場であり、必要不可欠な社会的環境となっている。ここは、年配の人にとっても若者にとっても快適な場所だ。写真を見れば納得していただけるのではないだろうか。

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