演習では、海上での防衛行動や予備の補充、艦船の護送、海上輸送の安全を保障する共同行動の仕上げ、武器を実際に使った訓練などが行われる。演習には、ロ中双方から艦船9隻が参加するが、その中には、現在ソマリア沖で海賊対策にあたっている中国艦船も含まれる。
今回の合同演習については、昨年11月に行われたセルゲイ・ショイグ国防相と常 万全(じょう まんぜん、チャン ワンチュエン)国防相との会談で、すでに発表されている。その際交渉を総括して、チャン国防相は「我々は、来年春、地中海海域で定例合同海軍演習の実施を計画している。演習は又、太平洋海域でも計画されている」と伝えた。
専門家の中には、こうした演習は、アジアの自分達の同盟国との軍事協力を積極的に発展させている米国の行動に対する答だと考える向きもある。しかし、中国国防省スポ=クスマンが述べたように、合同演習は、剤三国に向けられたものではなく、地域の状況とも関係がない。
ロシア国際問題評議会のエキスパート、プロホル・テビン氏は「今回の演習は、ロシアと中国が、現在の状況とはかかわりなく、戦略的パートナーシップを維持する事を証拠立てるものだ」と指摘し、次のように続けたー
「米国は、演習に積極的な関心を示している。ロシア人と中国人が地中海で一体何をするのか、彼らにとって興味があるのだ。米国にとって地中海は太平洋のように鍵を握るものではなく、そこには米海軍は常駐していないが、米国内ではしばしば、この海域にも常駐する艦船グループを作る必要があるとの声が出されている。」
これに関連してロシアの軍事評論員、ヴラヂスラフ・シュルィギン氏は「中国にとって、将来的にロシアと共同で地中海を開拓することは重要だ」と指摘し「中国海軍は、まだ非常に若く、世界の舞台に出始めたばかりである」と述べた。
なお地中海でのロ中合同海軍演習の正確な日取りについては、今のところ明らかにされていない。