一方米国コロラド大学ボルダー校の地質学の専門家ロジャー・ビルヘム教授は「エベレストの高さは確かに低くなったが、それは2ミリ程度に過ぎない」と見ている。
「The Huffington Post」の報道によれば、「UNAVCO」の学者達は、4月29日に地震発生地域上空を飛んだ欧州連合(EU)とヨーロッパ宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「Sentinel-1(センチネル-1)」が送って来たデータをもとに、エベレストの高さは約2,5センチ低くなったとの結論に達した。
地震によって、インドの構造プレートの欧州プレートへの相対的移動が起こり、プレート間の緊張も弱まった。それにより地殻がやや落ち込み、エベレストは少し低くなった、との事だ。
コロラド大学のビルヘム教授は、こうしたプロセスを「消しゴムに圧力を加えた時」と比較し「消しゴムにギュッと力を加えると、その高さが増し、放すと元に戻る」-そうした事と同じだと説明している。教授は、エベレストは、1ミリか2ミリ程度しか低くなっていないが、隣のアンナブルナ(ネパール・ヒマラヤの中央に東西約50 kmにわたって連なる、ヒマラヤ山脈に属する山群の総称)は、20センチ隆起したと見ている。
またネパールの首都カトマンズ周辺の全地域も、およそ90 センチ隆起したとの事だ。持ち上がった場所の大きさは、およそ幅29キロ、長さ85キロに及んでいる。