バイデン副大統領の声明は恐らく、日曜日、イラク西部アンバル県の行政の中心地ラマディを『IS』の戦闘員らが攻撃した後、カーター国防長官がCNNのインタビューの中で行ったイラク軍に対する非難を打ち消す目的でなされたものだろう。
カーター国防長官は「多分イラク軍部隊には、戦う意志が欠如していた。イラク軍は、数の上ではかなり敵に対し上回っていたが、それでも戦闘をうまく行えず退却した。これは私に言われていることで、我々も多くもそう考えていると思うが、イラク軍にはISと戦い、国を護る意志の点で問題がある。我々は、イラク軍部隊を訓練し、彼らの装備を整えることはできるが、彼らに戦場に向かう意志を持たせることまでは、当然できない」と述べた。
一方、イラクのムトラク副首相も、米国により訓練を受けた軍部隊がラマディを護ることができなかったことを批判した。副首相は、CNNテレビの中で「何年も米国人教官の元で訓練を受け、軍の精鋭部隊の一つであるはずの部隊が、ああした形でラマディを敵に渡してしまった。あの部隊は、我々が期待していたようなものではない」と述べている。
米国内では、中東戦略の失敗に対する批判の声が、特にシリア及びイラクにおいてイスラム国に対し講じられた措置についての批判の声が、ますます高まっている。特に米国上院国防委員会のマケイン委員長は、批判の急先鋒に立ち「私は、現政府の行動の中に、なんら戦略というものが見ることができない。もし誰かが、戦略があるというなら、それを私に示してもらいたいものだ。なぜなら、私には分からないからだ」と手厳しく批判した。
米国政府が主導する有志連合による空爆にもかかわらず「IS」の戦闘員らは、素晴らしい遺跡のある古都パルミラを占領してしまった。そこでイスラム過激派戦闘員らは、捕虜にした軍人らを大量処刑し、さらに地元当局の関係者及びその親族と分かった人々を次々と殺害している。