ラル氏は、「もちろんたくさんの陰謀説が存在している。論理的観点から見た場合、FIFAスキャンダルは、いま米国にとって都合がいいのかもしれない」と述べた。
4月中旬、ドイツでまたスパイ・スキャンダルが勃発し、ドイツのマスコミは、NSAがフランスとオーストリアの政治家や、欧州の大手企業を監視するために、ドイツ連邦情報局(BND)の技術的可能性を利用したと報じた。
ラル氏によると、昨年のウクライナ危機は、事実上、エドワード・スノーデン氏の暴露を社会の記憶から排除したが、現在のスパイ・スキャンダルでは、「それほど強くはないスノーデン氏だけでなく、ウィキリークスのサイトやその他のシステムの欠陥などから」新たな事実が発覚し続けているという。
ラル氏はまた、今回のFIFAのスキャンダルも非常に規模が大きいが、スキャンダルは現在マスコミによってつくられており、「FIFAをめぐるスキャンダルは、1週間後にはもはや切実ではなくなる可能性がある」と指摘している。ラル氏は、そのため米国にはこれ以上、世論の管理における「占有権」はないとの見方を示している。