その説明として、2014年のグリヴナ安が挙げられる。ポロシェンコ氏はお金を外貨口座に保持し、レートの上昇に伴いグリヴナで利益を得ていた可能性がある。しかし収入の激増ぶりはこれだけでは説明がつかない。
専門家によれば、ポロシェンコ氏は株主として自らの事業からの配当金を得ていた可能性がある。
就任前の公約に反して、またウクライナ憲法にも違反して、ポロシェンコ氏は事業を売却しなかった。氏は菓子メーカー「Roshen」や工場「レーニンスカヤ・クズニツァ」ほか食品メーカー数社、自動車メーカー「ボグダン・アフト」、ガラスおよび片栗粉製造工場、保険会社、国際投資銀行、複数のテレビ・ラジオ放送局を保有している。
社会学サービス「ウクライナ・バロメーター」のヴィクトル・ネボジェンコ代表は、ポロシェンコ氏を政治的に深刻な結果が待つ、と予言する。「戦争で経済が悪化し、人々の収入も減っているのに、政商大統領の資産が増大するなど、どうやっても受け入れられない」とネボジェンコ氏。
「ポロシェンコ氏は今も昔もウクライナ最強の政商の一人だ。政界周辺では次の冗談がささやかれている。大統領は、ウクライナの脱政商化について、政商がただ一人を残して絶滅するように、との課題を立てている、と」。