安倍政権の前にはジレンマが立ちはだかっている

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日本の安倍首相は5日、ドイツで開かれる「G7」に先立ち、ウクライナの首都キエフを訪れる。ウクライナでは、日本とウクライナの両国関係史上初めて、今回の訪問が大きな政治的勝利、そして日本との大規模な経済プロジェクトを示唆するものとみなされる。しかしこんにちの日本とウクライナの経済関係は非常に小規模であるほか、ウクライナ経済が極めて悲惨な状態にある今、大規模プロジェクトについて語るのも難しいだろう。

大多数の専門家たちは、安倍首相のウクライナ訪問について、政治的な性格を有しているとの見方を示している。ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、安倍首相のウクライナ訪問について、同訪問は日本の首相が関心を抱く国の1つとの関係を損ねたくないと考えているために予定された可能性もあるとの考えを表し、次のように語っている。

「日本は米国と非常に緊密な関係にあり、この同盟は、安倍首相が5月初旬に米国を訪問した後に特に強化されたように思う。安倍首相の米訪問では、軍事分野における関係が見直された。日本は、係争諸島に関する中国の行動を非常に懸念しており、米国は状況が悪化した場合に、日本の安全を保障することを確認した。そのため私は、今回の安倍首相のウクライナ訪問は、日本が『G7』と一緒に、米国への連帯を示すのを望んでいることと関連しているとみなしている。同時に日本はロシアとの平和条約締結も望んでおり、安倍首相は明らかに、ロシアとの関係で蓄積された素養を失いたくないと考えている。米国との同盟は日本の外交政策において優先的なものとして残るが、日本はロシアとの貿易・経済および政治関係も必要であることを理解している。日本はバランスを取ることを余儀なくされている」

日本の菅官房長官は、安倍首相のウクライナ訪問について、日ロ関係に影響を与えることはないとの考えを表した。なおロシアのプーチン大統領の訪日だが、政府では議題が審議され、プーチン大統領の訪日の前に実施されるべきである日本の岸田外相のロシア訪問などを含む別の要素についても検討されている。ロシアは、安倍首相のウクライナ訪問に冷静に対応した。ロシアのペスコフ大統領報道官は、「これは日本とウクライナの2カ国問題だ。ロシアがそこに割り込むことはない」と発表した。

一方でウクライナは、日本に近づいて、競争状況をつくりだそうとしいている。ウクライナ外務省は最近、ウクライナのポロシェンコ大統領の日本訪問を検討していると発表した。年内の実現を目指しているという。しかし日本の公人は、今年はウクライナ情勢が原因で昨年11月から延期されているプーチン大統領の訪日が予想されると繰り返し発表した。

日本は、もしポロシェンコ大統領がプーチン大統領よりも先に日本を訪問した場合、これがロシアの苛立ちを呼び起こし、ロシア大統領の訪日が再び無期延期される可能性があることを自覚している。その場合、ロシアとの平和条約、そして領土問題も宙に浮いてしまう。そのため、安倍政権の前にはジレンマが立ちはだかっている。

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