ロシア人専門家ドミトリー・ストレリツォフ:プーチン大統領の訪日 ボールは日本にある

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G7サミットが開催されているドイツから、相反するシグナルが送られている。G7サミットに参加している日本の安倍首相は、ドイツのメルケル首相との会談で、領土問題を解決するためにロシアとの対話を続ける必要があるとの考えを表し、メルケル首相もそのサポートを約束した。日本は、プーチン大統領の訪日が、領土問題の解決に結びつくのではないかと期待している。

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安倍首相 日本はロシアと対話する必要がある
一方で、米国のオバマ大統領は、ロシア大統領の年内の訪日について、G7の結束を乱さないために、慎重な対応を求めたことがある。これは、日本に対して、プーチン大統領の招待を控えるよう促す、米国の「上手くカモフラージュされていない」助言とみなすことができる。この状況の中で、日本はどのような行動をとるのだろうか?ラジオ「スプートニク」の記者は、ロシアの著名な東洋学者ドミトリー・ストレリツォフ氏に話を聞いた。

— 端的に表すと、日本はいつもと同じように、2つの椅子に座ろうとしています。日本はロシアとの争いを望まない一方で、欧米の結束した立場から離れることができません。これによって、若干の路線の矛盾と、一貫性の欠如が起こりました。私は、この方向性は今後も続くと考えています。ロシアとの関係では、何らかの独立した要素が存在する一方で、対ロシア的な要素も存在することになるでしょう。

スプートニク:これは実際にどのような形であわれるのでしょうか?日本がG7の対ロ政策を支持したとしたら、日本はプーチン大統領の訪日について合意できるでしょうか?

— あらゆるハイレベルの訪問は、それを準備する2カ国の努力の成果です。しかし今、ボールは日本側にあります。プーチン大統領の訪日準備を目的とした岸田外相のロシア訪問が議題にあがっています。しかし私は、ロシアもこの訪問で利益を得ると考えています。訪問では、エネルギー協力、北極海航路、インフラ建設などに関係する、経済分野における合意がたくさんなされるかもしれません「。『延期されて、適した時期を待っているもの』がたくさんあることが、思い出される可能性があります。また訪問は、私たちと中国との経済関係のバランスも改善してくれるかもしれません。しかし政治的な部分も重要です。それは、不利な政治状況の中でも、私たちの関係の重要性を示すことです。ロシアに対する圧力が強まっていても、ロシアは孤立しておらず、重要なパートナーとの関係を発展させていることを示すのは、ロシアにとって重要なことです。

スプートニク:日本人はプーチン大統領が訪日した際に領土問題が解決されると期待しているようですが、それが叶う可能性は、どのくらいあるのでしょうか?

— 日本のリーダーたちは、常にこのことについて発言していますが、今回の訪問で領土問題が解決されることはないでしょう。これは、何らかの儀式として捉える必要があります。しかし私は、実際のところ、日本は領土問題が解決されるとは考えていないと思っています。これは一種のゲームであり、全ての人をうんざりさせました。私は、この問題をできるだけ長期間にわたって凍結するべきだったと考えています。」

問題は、日本の指導部が、領土問題を先送りにする用意があるか、ということだ。反ロシア的発言を強めるために、欧米のパートナーたちからの強い圧力のもとで、ロシアとの平和条約交渉および領土問題において進展がみられないことが、利用される危険性がある。そしてこれは、両国にとって重要な露日の経済協力や、クリルの先行きに関する複雑な交渉プロセスにも、ネガティブな影響を与える恐れがある。

 

 

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