フランスの政治家で、政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首は、TTIPに関する真相解明活動を提案した。なぜならフランスでは、TTIPをめぐる討論が行われていないからだ。TTIPは、フランスの国家主権を脅かす恐れがある。TTIP反対運動を行っている団体「新エコロジー」のメンバー、ゴティエ・ブシュ氏は、TTIPについて、広報不足という重要な問題が存在していると考えている。TTIP交渉は非公開で行われており、その内容を記録したり、コピーをとってはならない。
また、政府が意思決定プロセスへあまり関与していない事実が、さらに大きな懸念を呼んでいる。ラジオ「スプートニク」のインタビューで、ブシュ氏は、TTIPは結果的に、一国の枠を超えた新たなツールとなり、そこでは大手民間企業が、国や議員、そして最終的には国民に代わって決定を下す可能性があると述べた。また欧州では、200万人がTTIPに反対する請願書に署名した。
ドイツの専門家ゲルト·ホフマン氏は、ラジオ「スプートニク」のインタビューで、TTIPは民主主義体制にとって不利な結果をもたらすとの見方を示し、次のように語っている。
「TTIPの反対者たちは主に、TTIPが民主主義体制にとって悲惨な結果を招くとして批判している。TTIP作成者たちの意図は、あらゆる規格や基準を一致させることにある。TTIPは、保健や公共インフラなどの民営化を促進するだろう。その場合、自治体は、自治に関する権限を幾分失うことになる。これは、地方自治体の代表たちが、それぞれの政党のコンテキストから独立して批判している項目の一つだ」。
環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)は、欧州連合(EU)と米国間の協定だ。TTIPの支持者たちは、TTIPが多面的な経済成長をもたらすと指摘しているが、反対者たちは、独自の論拠を示している。TTIPは2015年にも発効する可能性がある。