A:「やはり日本とすればウクライナの安定に向けて協力するのが基本的姿勢なんですね。
日本はこれまでもウクライナの下水道、交通網の整備をJICAなどを通じ協力をしてきました。日本と旧ソ連邦のウクライナの間には様々な人的交流がありましたし、ウクライナは穀倉地帯であるのと同時に古い歴史文化遺産もたくさんあるため、日本としてはロシアとの関係が落ち着くように、側面的な支援と安定につながるような協力をするというのが基本的姿勢です。
今回安倍総理はポロシェンコ首相と会って、経済、技術的支援を約束しました。これは日本では総理の初のウクライナ訪問という歴史的イベントとして大変高く評価されています。」
Q:今、ドンバス状況は緊張化しており、戦争の勃発の危険性が高まっています。もし開戦という事態になった場合、西側諸国は今までと同じようにロシアにその罪をおしつけ、新たな制裁を発動する恐れがあります。そうなった場合、日本は新対露制裁を支持するでしょうか?
今、岸田外務大臣が近々モスクワを訪問する日程の調整が進んでいますし、プーチン大統領が本来であれば昨年訪日されるはずでしたが、このウクライナ問題で延びていますから、きちんとした日露の首脳会談を行えるようにするためにも、日本が一方的にロシアを非難することは避けたいと思っています。
ですから客観的な兵力の引き離しはミンスク合意に従い、ロシアにも責任はありますが、ウクライナにも責任があるわけですから、ここは両者に責任をきっちり果たしてもらうことを米国、ドイツ、フランスも日本も側面から支援する必要があると思っています。」
Q:ウクライナ危機の平和的解決のための日露の協力の形とは?
A:「 日本はロシアともウクライナとも様々なパイプを持っています。そういう意味で日本が調整役として欧米諸国に対し、ロシアを含めた和解強調の場を作るということです。
G7はロシアを除外して行われましたが、そういう場は決して問題の解決にはつながらない。日本はやはり当事国であるロシアを交渉のテーブルにつくよう、ロシア側に働きかける必要があると思っていますし、ウクライナ側にも、根本的にはこれはやはり日本とウクライナの間で決着をつける。
そのための側面的な支援であれば、日本はやぶさかではありませんが、今のように一方的にロシアを排除して緊張感を高める、あるいは場合によっては戦争ということは絶対に避けなければならないと思っています。」