中国の雑誌に掲載された論文は、事実誤認の内容が含まれており、ロシアと中国の戦車製造における違いが理解されていないことが示されている。論文では、ロシアが輸出できる唯一の近代的な戦車はT-90Sであり、一方で中国は、VT-2、VT-1、VT-4の3つの戦車を輸出することができ、これらの戦車は、「ほぼ全てのクライアントの要求を満たすことができる」と指摘されている。
論文では、Т-14 戦車「アルマータ」について具体的に触れられている。特に戦車の伝道装置が未完成だと指摘されている。これは戦勝パレードの予行練習の時に発生したТ-14の故障によって明らかになったという。しかし実際のところ、戦勝パレードの予行練習でТ-14が止まったのは、技術的に経験不足だった戦車の操縦士のミスによって引き起こされたものだった。技術が新しく、状況も特別だったため、操縦士は緊張してしまったのだ。この後、操縦士が交代して、戦車は赤の広場を「順調に」去った。
また論文では、「アルマータ」と中国製戦車の最も大きな違いが無視されている。中国の戦車製造の全歴史は、古い基本設計を段階的に改善することの連続だった。ロシアはこのアプローチをやめて、シリーズモデルにはなかった原則的に新たなタイプの開発に尽力を注いだ。そのほかТ-14戦車は、一元化された共通の車体を基盤にした「装甲車両一族の一員」だ。1970年代から1980年代の基本設計を段階的に改良する方法では、このような成果をあげることは一切できない。ロシアは極めて野心的な課題に取り組んでいる。たくさんの困難を克服し、たくさんの力と資金を費やすことになるのは明白だ。しかしこれらの努力が将来、あらゆる競争相手や敵に対する明らかな優位性を与える。「軍用車両の新たな一族」に関する作業はまだ続いており、現在大量生産されているロシアのТ-90やBMP-3などの戦闘車両は、世界市場で中国を含む外国の戦闘車両との競争を、成功裏に続けている。