2014年7月、ブラジルのフォルタレザで開かれたサミットの総括に際して、BRICS加盟国は、「新開発銀行」の設立に関する宣言に調印した。「新開発銀行」の初代総裁はインドから選ばれる。なお副総裁には、国際通貨基金(IMF)で8年以上勤務した、ブラジルのパウロ·ノゲイラ・バティスタ氏が任命されている。
ティスタ氏は、ラジオ「スプートニク」のインタビューで、「新開発銀行」の概念と目的について語った。「新開発銀行」設立の目的には、主にBRICS加盟国やその他の新興国の安定した発展を維持するための、インフラプロジェクトの資金調達のためのリソースの動員などが含まれている。また、米国の拡張的な金融政策によって、経済の不安定化に苦しむ他の国への支援提供も規定されている。
「新開発銀行」は、2016年1月に業務を開始する見込み。同行は、業務開始当初から、国連に加盟する全ての国に開かれている。これは、中国が設立を提案したアジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank)と同じだ。しかし、BRICS開発銀行の創設国の間には、BRICS加盟国の資本の割合が、55パーセント以下になることはない、という合意がある。「新開発銀行」の1000億ドルの外貨準備のプール(中国410億ドル、ブラジル、ロシア、インド各180億ドル、南アフリカ50億ドル)は、金融市場のボラティリティ(価格の変動幅比率)から国の通貨を保護するために設立される。
銀行が業務を開始する前に、各国の議会で、しかるべき合意が批准されなければならない。ブラジルではすでに、上下両院で批准された。他の国も6月末までに、必要な行動をとるとみられている。
「新開発銀行」の暫定的な管理機関も、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、その他の類似した地域の金融機関と競争するための戦略の策定に取り組む。